【音楽】【幻】【バカな存在】

文字数 529文字

 クラシックに疎い人間でも、バッハが「音楽の父」と呼ばれている事ぐらい知っているだろう。彼の作品の一つ「G線上のアリア」も題名と曲が一致しない人はいても、どちらも聞(聴)いたことがあるはずだ。そのインパクトのある題名は小説のタイトルにも使われた。確か使われていたはず。絶対かと聞かれると自信ないけど、調べるの面倒くさいから、あまり突っ込まないで。
 そして、驚くべきことは「G線上のアリア」の名が示す通り、その曲はバイオリンにある四本の弦のうち最も低いG線のみで弾けると言う事だ。天才だ、天才すぎる、まさに音楽の父というのに相応しい。
 一方、「音楽の母」はというとヘンデルの名が上がる。私は、音楽の母などと言うのは幻に過ぎないと思う。遠慮なく言わせてもらえば、バカな存在だ。
 確かにヘンデルの「ハレルヤ」を知らない人などいないだろう。その功績は認める。
 だが、バッハとヘンデルを同列に並べて、父だ母だと言うことが実に愚かな事か知らない奴らが多い。
 私は同じ音大に通う奴らに言ってやった。

「ヘンデルは男だ」と。

 うん、わかるよ。確かにあんな感じのおばちゃんとかいるけど。いるけどさ、あの人男なんだよ。

 私の発言が気に障ったのか、それ以来みんな口を聞いてくれない。
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