【本】【化石】【残念な中学校】

文字数 478文字

課題は、ジャンル「純愛モノ」


 僕は子供の時から本を読むことが好きだった。中学では図書委員をやっていて、放課後はいつも図書室で小説を読み耽っていた。
 この年頃の男の子の中では変わり者と見られていて、女子に対して興味を示さないところから、化石なんて呼ばれもしたっけ。
 だけど、好きな女の子がいなかったというわけじゃない。想いを寄せる相手はいた。
 それが、直子ちゃん。
 同じ図書委員で、その気になればいくらでも話しかけるチャンスはあった。だけど、当時シャイだった僕は図書委員としての活動に関する会話しかできなかったんだよね。
 でも、ある日、直子ちゃんの方から告白された。僕は嬉しくて舞い上がったんだけど運悪く、その現場をクラスメイト達に見られてしまった。皆んながヒューヒューって茶化すもんだから恥ずかしくなって思わず断ってしまった。それで直子ちゃんを泣かせちゃったんだ。それが一番の残念な中学校の思い出かな。まぁでも、そのあと追っかけて謝り倒したけど。
「あなた、中学の同窓会行く? 中学と言えば私まだあの時の事許してないんだからね」
「もう時効でしょ、直子ちゃん」
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