【プラズマ】【インジェクション】【スクリュー】
文字数 1,712文字
課題: なんか雑学入れてください
※【カツカレー】【三連休】【パリ】の続きです。
浅丘恭子のために用意した講義が流れてしまい意気消沈していた大野が、ふとスマホを見るとそこに留守電が入っていることに気がついた。
「先生！ この前は講義休んじゃってすいませんでした。友達に聞きました。二つのお題だったんですよね？ じゃあ次は三つだったりして。今度は私からもお題出していいですか？ 『プラズマ』『インジェクション』『スクリュー』です。今度の講義が終わった後に、この前のカフェで先生の作品見せてくださいね。あ、課題はエスエ……」
バッテリー切れだったのか、浅丘恭子のメッセージは途中で切れた。
大野は考えた。三語において大切なのは、それぞれの言葉が持つ色々な意味を把握することだ。
まず、プラズマというと一般的に思い浮かぶのは雷やオーロラだろう。それが何かと言えば物質の第四形態。気体の分子が陽イオンと電子に電離した状態だ。
次に、インジェクションである。普通に考えたら注射だろうが、普段耳にするものだとエンジンの燃料供給方式だ。
最後にスクリューだが、十中八九船の推進力となるプロペラを想像するはず。DIYをするものであればネジという意見もでるだろう。
大野が気になっていたのは途中で切れた、エスエ……だ。一つの可能性が大野の頭をよぎるが、浅丘恭子に限ってそんなことはあり得ないとかぶりを振った。だがそういったものこそ検証が必要だと大野は思い直した。
「注射と言えばCともとれる」
大野は古い人間のため、男女関係の進展度をアルファベットで表していた。
「待てよ、そういえばscrewにもそんな意味があったはず」
大野は確認のため辞書で検索した。
※英辞郎より引用
【他動】
1. ball〈卑俗〉（人と）
2. bang〈卑俗〉（人と）
3. boink〈俗〉（～と）
4. bone〈俗・軽蔑的〉（人と）
5. bonk〈英・卑俗〉（～と）
6. diddle〈卑〉（女性と）
7. frig〈卑〉（人と）
8. fuck〈卑俗〉（男が女と）
9. hit〈米俗〉（人と）〔I'd hit that.やhit it and quit itなどの表現で使われる。〕
10. hump〈性俗・卑〉（人と）
11. jazz〈卑〉（～と）
12. lay〈性俗〉（～と）〔同have sex with〕
13. love〈やや古〉（人と）
14. poke〈卑〉
15. pound〈米・卑俗〉（～と）
16. prong〈米・卑俗〉（男性が女性と）
17. raunch〈米俗〉（～と）
18. schtup〈俗〉
19. screw〈俗・軽蔑的〉（人と）
20. shag〈英・卑俗〉（人と）
21. shtup〈俗〉
22. stuff〈卑〉（女性と）
23. yentz〈米俗〉
【他動・自動】
1. roger〔男性が使う俗語〕
2. scrump〈米俗・軽蔑的〉
【自動】
1. ball〈卑俗〉
2. bang〈卑俗〉
3. boff〈米俗〉
4. bonk〈英・卑俗〉
5. boogie〈卑〉
6. fuck〈卑俗〉
7. horse〈俗〉
「多すぎだろ！」大野は思わず叫んだ。
普段そんなことばっかり考えている大野からみても、句動詞含めたら字数オーバーする欧米人のそっちの語彙には舌を巻いた。
それはそうと、問題はプラズマである。果たしてそっち系の意味があったであろうかと大野は頭を捻る。
「蝋燭だ！」
実は身近で手軽に見ることが出来るプラズマはロウソクの炎の突端である。大野は確信して口角を上げた。そして渾身の三語を書き上げる。
そして約束の日、カフェにて。
「先生、この前の約束覚えてます？」
「何のことだったっけ？」大野はしらばっくれながら三語を披露する前に、バッグに入れている第二のバイブル団鬼六の官能小説に手を伸ばす。
「留守電聞いてないんですか？”SF”の三語ですよ」
大野の額に汗が滲む。思わず手を引っ込めた。
「あ、ああ、留守電ね。今朝聞いたよ」
「あー、先生ズルい！ 謝罪じゃないのに今朝見たって言うのは答えに窮してた人の言い訳ですよ」
大野はカラカラになった喉をアイスコーヒーで潤した。
※【カツカレー】【三連休】【パリ】の続きです。
浅丘恭子のために用意した講義が流れてしまい意気消沈していた大野が、ふとスマホを見るとそこに留守電が入っていることに気がついた。
「先生！ この前は講義休んじゃってすいませんでした。友達に聞きました。二つのお題だったんですよね？ じゃあ次は三つだったりして。今度は私からもお題出していいですか？ 『プラズマ』『インジェクション』『スクリュー』です。今度の講義が終わった後に、この前のカフェで先生の作品見せてくださいね。あ、課題はエスエ……」
バッテリー切れだったのか、浅丘恭子のメッセージは途中で切れた。
大野は考えた。三語において大切なのは、それぞれの言葉が持つ色々な意味を把握することだ。
まず、プラズマというと一般的に思い浮かぶのは雷やオーロラだろう。それが何かと言えば物質の第四形態。気体の分子が陽イオンと電子に電離した状態だ。
次に、インジェクションである。普通に考えたら注射だろうが、普段耳にするものだとエンジンの燃料供給方式だ。
最後にスクリューだが、十中八九船の推進力となるプロペラを想像するはず。DIYをするものであればネジという意見もでるだろう。
大野が気になっていたのは途中で切れた、エスエ……だ。一つの可能性が大野の頭をよぎるが、浅丘恭子に限ってそんなことはあり得ないとかぶりを振った。だがそういったものこそ検証が必要だと大野は思い直した。
「注射と言えばCともとれる」
大野は古い人間のため、男女関係の進展度をアルファベットで表していた。
「待てよ、そういえばscrewにもそんな意味があったはず」
大野は確認のため辞書で検索した。
※英辞郎より引用
【他動】
1. ball〈卑俗〉（人と）
2. bang〈卑俗〉（人と）
3. boink〈俗〉（～と）
4. bone〈俗・軽蔑的〉（人と）
5. bonk〈英・卑俗〉（～と）
6. diddle〈卑〉（女性と）
7. frig〈卑〉（人と）
8. fuck〈卑俗〉（男が女と）
9. hit〈米俗〉（人と）〔I'd hit that.やhit it and quit itなどの表現で使われる。〕
10. hump〈性俗・卑〉（人と）
11. jazz〈卑〉（～と）
12. lay〈性俗〉（～と）〔同have sex with〕
13. love〈やや古〉（人と）
14. poke〈卑〉
15. pound〈米・卑俗〉（～と）
16. prong〈米・卑俗〉（男性が女性と）
17. raunch〈米俗〉（～と）
18. schtup〈俗〉
19. screw〈俗・軽蔑的〉（人と）
20. shag〈英・卑俗〉（人と）
21. shtup〈俗〉
22. stuff〈卑〉（女性と）
23. yentz〈米俗〉
【他動・自動】
1. roger〔男性が使う俗語〕
2. scrump〈米俗・軽蔑的〉
【自動】
1. ball〈卑俗〉
2. bang〈卑俗〉
3. boff〈米俗〉
4. bonk〈英・卑俗〉
5. boogie〈卑〉
6. fuck〈卑俗〉
7. horse〈俗〉
「多すぎだろ！」大野は思わず叫んだ。
普段そんなことばっかり考えている大野からみても、句動詞含めたら字数オーバーする欧米人のそっちの語彙には舌を巻いた。
それはそうと、問題はプラズマである。果たしてそっち系の意味があったであろうかと大野は頭を捻る。
「蝋燭だ！」
実は身近で手軽に見ることが出来るプラズマはロウソクの炎の突端である。大野は確信して口角を上げた。そして渾身の三語を書き上げる。
そして約束の日、カフェにて。
「先生、この前の約束覚えてます？」
「何のことだったっけ？」大野はしらばっくれながら三語を披露する前に、バッグに入れている第二のバイブル団鬼六の官能小説に手を伸ばす。
「留守電聞いてないんですか？”SF”の三語ですよ」
大野の額に汗が滲む。思わず手を引っ込めた。
「あ、ああ、留守電ね。今朝聞いたよ」
「あー、先生ズルい！ 謝罪じゃないのに今朝見たって言うのは答えに窮してた人の言い訳ですよ」
大野はカラカラになった喉をアイスコーヒーで潤した。
