第62話 短編集の面白さ

文字数 317文字

 寝っ転がって、ぱらぱらとページをめくる。
 モーパッサン短編集。
この頃は、こればかりこればかり読んでいる。
 田舎もの、都会もの、怪奇・戦争ものがあり、その時の寝っ転がった気分によって読むものも変わる。
 ぱらぱらめくるうちに、その時の気分とマッチするような、読むに相応しいページ、物語にふと当たる。この作家を信用しているので、どれを読んでも構わないのだが。
 これが短編集の面白さ、と思う。
 何回も読んでいるから、もう結末はわかっている。でも、また読む。
 適当に読んでしまっていた箇所もあるので、そこもじっくり読みなおす。
 モーパッサンのこれは、ただ軽いだけのものもあるが、じりじり効いて来る、噛めば噛むほど味わい深いものが感じられる。
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