第22話

文字数 7,494文字

 瑠璃は結跏趺坐してひたすら瞑想に耽っている。座蒲の上に座っていたはずだがその感覚がまるでない。それどころか上下もない空間を浮遊しているようで、重力の存在が感じられない。実体を離れて意識のみで存在しているのかもしれないという考えが半覚醒した頭の中をよぎった。白い闇の中を彷徨っているような錯覚に襲われる。だんだんと白い闇が薄れていくと、畳の上に緋毛氈がかけられた壇上に様々な人形が並べられ、上段には金の屏風の前に男雛と女雛が並びその両側には雪洞が明かりを灯されて置かれているのが見えてきた。これは瑠璃が小さいころのひな祭りの思い出だ。毎年じいちゃんとばあちゃんが祝ってくれた。瑠璃はその時期にしか食べられなかった桃カステラが大好きだったことを思い出した。懐かしい少女のころの思い出である。近所の子が遊びに来て桃カステラを食べると瑠璃は独り占めできなくてあからさまに不満顔になり、そのことをじいちゃんによくからかわれた。
 場面は急に変わって目の前には大きなガラスの水槽がありその中で様々な魚たちが泳いでいる。エイは浮遊しているように泳いでいる。カツオは群れをつくって回遊している。ひときわ大きいのはジンベエザメだろうか、優雅に泳いでいる。ガラスの水槽が思ったよりも大きい。水槽の前では小さい女の子が左手で父親らしき男の手を握りしめ右手ではジンベエザメを指し示しながら感嘆の声をあげている様子が見える。しかしこの場面は瑠璃の記憶にはない。小さい頃このように大きな水族館に連れて行ってもらった記憶がないのだ。この子の母親の記憶とシンクロしているのだろうか。不思議に思っているとまた場面が変わった。
 若い長い髪の女が薄いピンクの病院服を着てその胸には生まれたばかりの赤ちゃんを抱いている。出産でやつれてはいるがその表情は優しさに満ち溢れ、新しい命を得て母親となった喜びが、その体全体から伝わってくるようだ。その情景は古より人が紡ぎ続けてきた命の糸を次世代へと引き継ぐことができた喜びということを表しているのかもしれない。しかしこの女は瑠璃の母親ではない。誰か別の人の記憶である。おそらくこの女の夫の記憶であろう。瑠璃は何か大きな記憶の海の中を彷徨っているのかと瞑想下の意識の中で思考していた。そして場面は再び移ろいだした。
 白い闇がだんだんと開けてくるが空気が肌を焼くように熱い。まるで高温のサウナにいるようだが温度はそれ以上ありそうだ。そして白い闇が明けきるとそこには焼けただれた肌の人たちが川の中に浮かんでいる。一人や二人ではない。数えきれないくらいのほとんど裸の人たちがその焼けただれた体を水に浮かべている。辺りは炎により明るく照らされているのだが空は黒々とした煙によって真っ暗である。手前の方では全身が焼けただれて真っ黒になった女がいる。髪の毛は焼け落ち、むき出しの乳房は高温で干からびている。まだ息はあるらしく力ないまなざしで虚空を悲しそうに眺めていた。遠くの方に以前旅行で訪れた広島の原爆ドームのようなものが見えている。ここは戦争末期の広島のようである。百年近い昔だ。当時これを体験した人が今生きているとは考えられない。人が作り出した地獄はそれ自体が意識となって記憶の海に漂っているのだろうか。再び白い闇が訪れてきた。
 空が真っ赤に燃え上がっている。再び肌を焦がす熱風が襲ってきた。煙で真っ黒になった空を明々と照らしている猛火がいたるところで踊り狂っている。鐘の音が聞こえる。大八車に家財道具を乗せて逃げ惑う人々が見える。その横では火消したちが大きな鉤爪が先端についた長い棒で延焼を防ぐために隣接する家屋を引き倒している光景が見える。人々は着の身着のままで逃げまどっている。その装束は和装で男は丁髷、女は髷というのだろうか、そのような髪型だ。どうやら江戸時代の大火の記憶の中を彷徨っているらしい。再び場面が切り替わる。
 青空の中、大きな仏像が着座している。そして様々な民族衣装を着た人たちが整然と並んでいる。その前では艶やかな服装を着た舞人たちが雅楽の演奏に合わせて踊っている。しかしその調べは神社などで聞く雅楽よりもはるかにテンポが速くどこか中近東の音楽を思わせる調べだ。インド人の姿も見える。両側を山の壁で囲まれた盆地の中で大仏が青空にむき出しの状態でそびえたっている。大仏の顔はどことなく奈良の大仏のようである。もしかすると大仏開眼の式典が行われているのだろうか。それにしても東大寺の大仏殿は建立されていないのだろうか。不思議な光景だ。また景色が変わっていく。
 広い砂浜に日が落ちている。海風の中、鐘の金属音が響き渡っている。そして白装束に髷を両側に結った顔面には刺青が施された背の低い男たちが火の回りで踊っている。ここはどこだろうか。遠くには木造の高楼がそびえているのが見える。以前訪れた出雲大社がある稲佐の浜に似ている。ひょっとして弥生時代の出雲を訪れているのだろうか。多くの男や女たちが浜に向かって歩いてくる。何か歌を歌っているようだ。みな歓喜の表情を浮かべている。この光景は誰の記憶で何を意味しているのだろうか。再び白い闇が訪れてくる。
 暖かい光に包まれて瑠璃は幸せな気持ちに浸っている。この中に居ればもう悩む必要もない。ここに存在するだけで人は幸福になれるのだ。上を見上げると白い闇であるのに星々がキラキラと輝き瞬くのが見える。帯状に空を横切る天の川も見られる。このようにはっきりと空一面に敷き詰められた星々を見たのは大学最後の夏休みに訪れたハワイでの出来事だったかなと瑠璃は思った。しかしその時は月も無い漆黒の闇の中での出来事であったのにここは真っ白の闇の中である。どうしてこのように煌めく星々を見ることができるのだろう。そしてだんだんと白い闇は明けてきた。
 空が広い。夜空には煌めく星々がちりばめられている。そして満月が湖の上に浮かんでいる。湖面は漣に揺れそれに連れて月の姿が揺らいでいる。瑠璃は何か違和感を覚えてあたりを見回す。月光に照らされた瑠璃の回りは一面の蓮華畑である。濃いピンクの花々の絨毯が敷き詰められている。瑠璃は違和感がどこから来るのか気づいた。月明かりが明るいのだ。いや、明るすぎるのだ。いや、月が明るいだけではない。瑠璃が見てきた月と比べても一回りは大きいのだ。だから辺りが明る過ぎてそれに違和感を覚えていたのだ。月は毎年少しずつ地球から離れていると誰かが言っていたことを思い出した。するとこの月と地球との関係は何万年も前の状態なのだろうか。するとこれは誰の記憶なのだろうか。地球の記憶とシンクロしているのだろうか。
そのようなはずがないのは解っている。インディーズ・ウェブのホストコンピューターがつながったネットワークの膨大な情報の海の中で瑠璃の意識と呼応した情報が瑠璃の中で記憶として再構築されているのであろう。しかし垣間見えた時の揺らぎは瑠璃にどこか懐かしくて暖かい充足感をもたらした。時の記憶は幸福な時間だけではなかったがそれらの記憶を知ることで励起される至福の喜びに浸っていると、人は知るためにこそ生まれてきたのではないかという思いが浮かび上がってきた。そしてもっと行き着くところまで知ることを広げて、その先にある至福の境地へと達してみたいと思った。
 だんだんと月はその大きさを拡大していき辺りは再び白い闇に包まれた。そしてその中心から次第に開けてゆき、それに従って瑠璃は徐々に覚醒していった。
 世界は急に重さを持ち始め、引き締まった空気が頬に感じられた。ゆっくりと瞳を開くとそこには渡辺大僧正の顔があった。
「瑠璃さん、何が見えたかな」
 渡辺座主が訪ねる。
「白い闇の中で様々な出来事が映し出されました。その出来事は私の記憶だけのものではなく何か、もっと大きな集合体のようなものの記憶でしょうか。ひょっとするとこの星の記憶だったのかもしれません。そして白い闇の中で煌めく星たちが何か語りかけるように瞬いていました。この星の太古の姿は大きな月と静寂の中にありました。それらのことが走馬灯のように流れていき、そして私は知ることの喜びを得ました。もっとより大きいものを知りたいとも思いました。それが至福へとつながる道であることを得ました」
「ふむ。それがあなたの進む道なのであろう。それを極めた先にあなたの悟りがあるのかもしれぬ。修行に励みなさい」
「尊師、ありがとうございます」
 瑠璃の回りには次第に夜の闇が引いていき白々とした朝が動き始めていた。

 土曜日の早朝島村瑠璃は轟太と共に天台座主渡辺と対峙していた。ここは晩秋の延暦寺である。澄んだ青空の下、山は見事な紅葉に覆われて美しい景観である。その中に銀杏の大木がところどころ鮮やかな黄金色に輝くその容姿を見せているのが雅な彩を添えている。
 天台座主の横には熊田大僧都の顔も見られる。
「座主、そして大僧都ご無沙汰しております」
「瑠璃さん、毎日のように顔を合わせているがこうやって実際に会うのは八月以来じゃのう。されど見違えるほどに成長なされた様じゃ」
 渡辺座主に続いて熊田大僧都も口を開いた。
「瑠璃さんは今や我々仏教徒のアイドル的存在ですからな。あなたのその慈愛の心は常に我々の心を満たしてくれております。我々は瑠璃さんがどこに居ようとも常にお傍におりますぞ」
「大僧都、恐縮次第です。今日のデモへ参加する皆さんへご挨拶することが待ちきれません」
 大僧都が答える。
「その件じゃがな、座主とも話してみたんじゃが、瑠璃さんを今、表にさらすのは危険じゃないかと思うてな。挨拶はここ延暦寺の僧だけにしてくださらんか」
「それはどういうことでしょうか」
「瑠璃さんの存在を敵に知られたくないのじゃよ。今のところはな。東京でのデモの際に華々しくデビューしていただきたいのじゃ」
「御坊がそうおっしゃるなら従いますが皆さんに失礼ではないでしょうか」
 座主が答えた。
「デモの参加者にはみな瑠璃さんの心は伝わっておる。デモに参加するよりは晩秋の古都をしっかりと愉しんでくれたほうが良い。あなたの放つその輝きにより、周りにいる人々は大いに影響をもたらされるであろうてな」
 轟太は相変わらず無言でこの会話に圧倒されているばかりであった。
秋の観光シーズンであるのでデモは毎週土曜日の開催とし通行を阻害する行進は中止して直接京都御所に九時に集まり遅くとも十時には解散するというものになっている。七時に天台僧たちはデモへ出発するとのことであったので瑠璃と轟太は僧たちを激励して山を下りることにした。
「瑠璃さん、お坊さんたちからの評判無茶苦茶良くなったっすね。彼氏として鼻高々っすよ」
「私自身は変わっちゃった気はしないんだけどね。でも皆さんが私を見る目がなぜか痛いわ」
「有名税ってやつですか?それよりこれからどうします?」
「そうね。奈良の東大寺に行きたいんだけど。その前にスタバにいかない?私おなかすいちゃった。夜通しのドライブだったしね」
「いいっすね。俺ももうぺこぺこ」

 二人は奈良へと向かった。来週から東京でデモが始まる予定なのでその前の束の間の休暇を古都奈良で過ごすことに決めたのである。京都はホテルが満杯であったのと紅葉目当ての観光客が多いと推測されたので比較的宿泊客が少ない奈良に一泊することにしたのである。老舗ホテルの奈良ホテルの予約が取れたことは幸運であった。十時前に奈良へ着くと車をホテルの駐車場へ停めて東大寺まで歩いた。荒池を過ぎ奈良公園の中を散策すると鹿が多いのに驚かされる。石灯籠が並び立つ広い砂利道の春日大社参道は丁度良い木陰となっていて歩くとすがすがしい気持ちになってくる。飛火野の交差点を左に折れると南大門が見えてくる。その背後には巨大な大仏殿が聳え立っているのが見える。瑠璃はここで行われた大仏開眼式典のことを思い出した。大仏殿はまだ完成しておらず大仏は広々とした中に鎮座し、その前の広場には五色の幡と宝樹が並べられそこに大勢の僧や民族服を着た来賓の参加者が整然と並んでいた。大仏の前には玉座が置かれ孝謙天皇が坐している。その両脇には聖武太政天皇と光明皇太后が坐している。雅楽が奏でられ舞が披露される華やかな式典だった。式典が行われたのは初夏だったが今は紅葉が色づき始めた秋である。当時は目立つこともなかった鹿も今は我が物顔で歩き回っている。瑠璃は千三百年もの歳月の変遷を目の当たりにして改めて人々の思いの深さに感謝を覚えるばかりであった。
 二人は大仏殿で大仏の雄大なさまと広目天の威圧感のある表情に圧倒された後、裏手にある大仏池でしばし古都の余韻に浸った。大木の銀杏はすでに輝く黄葉が散り始め、その根本は黄金色の絨毯が敷き詰められたかのようである。池の周りには色づき始めた紅葉がその影を池面に落として深まり行く古都の秋を訪れる者の心に留め置くように柔らかく誘いかけている。
瑠璃は再び人々の思いについて考えてみた。平城京への遷都は文武天皇の時代に計画が始まり元明天皇の時代に遷都が行われている。遷都の理由としてはこの地は陰陽思想に基づいた四神がかなう理想的な土地であったためだ。広大な平野に偉大な都市建設を行うことにより対外的にも日本という国を大国として認識させるための演出でもあった。また遷都に当たり左大臣の石上麻呂に藤原京の管理を任せたため右大臣である藤原不比等が平城京での実質の最高権力者となった。当時の仏教とは国家安寧のためであり天皇や公家の国家運営のための道具であった。それに疑問を抱いたのが聖武天皇である。行基の教えに影響を受けた天皇は民衆救済のための仏教という思想に傾きその象徴としての大仏建立を計画する。しかし国家安寧のための仏教を強く推し進めていた不比等により大仏の建立は民衆支配のための国分寺の総本山である東大寺にすることを天皇に認めさせた。このような経緯があって大仏開眼会が天平勝宝四年(七五二年)に行われた。その式典の模様を瑠璃は瞑想のさなかに体感したのである。その後、大仏殿は平安時代末期の平重衡の南都焼打ちの際と戦国時代の松永久秀と三好三人衆との戦いといった二度の戦火で焼失したがいずれも復興されて現在に至っている。江戸時代後半にはお伊勢参りなどの庶民の旅行ブームでの旅の大きな目的地の一つとして東大寺の大仏は存在した。明治維新時の廃仏毀釈運動にも耐えた東大寺であったが戦後の高度経済成長期の旅行ブームにより信仰の対象というよりは旅先でのホスピタリティーが重視された世相により東大寺を含んだ奈良公園は娯楽のために観光地化されるに至った。
国家安寧や民衆救済の役目を終えた大仏は観光資源として地元経済のために貢献しているのが現在である。創建時は広々とした空間にどこからでも望める威風堂々とした大仏殿であったが現在では近代的なホテル群に公園内を占拠されて南大門近くまで行かないと見ることができない存在となってしまった。それでもひとたび大仏殿の中に入ると廬舎那仏は何世紀も変わらぬ慈悲の眼差しで訪れる者たちを出迎えてくれる。変わってしまったものと変わらぬものを知ること、そして知ったうえで何をなすべきかをこの廬舎那仏は問いかけているのだろうか。瑠璃が瞑想中に見た大仏開眼の意味とはそういうものであるのだろうか、と瑠璃は自分自身に問いかけた。
池面に映る紅葉の赤はそよ風に揺れながら瑠璃にやさしく語りかけているようだ。肌に冷たい十一月の風を感じて瑠璃が寒さを思い出したとき、ふと後ろから優しく抱きしめられた。
「何を考えているの、瑠璃さん」
「ううん、何も」
「そうかなあ、どこか遠くへ行ってしまいそうで見ていて切なかったよ」
「私はどこにも行かないよ。でも千三百年前にここはどんなだったかなと考えていただけ」
「ほら、やっぱり、そんな遠くまで旅していたんだ」

 奈良公園内のレストランで暖かい蕎麦を食べ終えた二人は二月堂と三月堂を回り、途中で鹿せんべいを購入して鹿の集団の襲撃を受けて悲鳴を上げながら脱出した二人は春日大社へと着いた。苔むした古い灯篭と石段が古の京を偲ばせる。鮮やかな朱色と白のコントラストに銀杏の黄色がまじりあった世界は東京では見ることができない情景である。二人は特別参拝の受付をして本殿まで登り参拝した。その後藤浪之屋で万灯篭を見学した。暗がりの中いくつもの灯篭が輝きを放ち厳かな空間を作り出している。二人は時の立つのを忘れてしばしその仄かな闇が作り出す幽玄の世界に魅了された。参拝を済ませておみくじを引いた。二人とも小吉であった。
 春日大社を後にした二人は参道を戻り浮御堂へ向かう。浮御堂が浮かぶ池の畔には赤や黄色に色づき始めた紅葉が美しく彩を添えている。浮御堂に渡る木橋の途中には鹿の親子が並んで二人の方を向いていた。太は思わず
「瑠璃さん、鹿の親子と一緒に記念撮影しようよ」
 といって素早く携帯端末を取り出して動画撮影を行った。
「今日は十一月の十六日、ラブラブな二人の初めての旅行でーす。奈良の鹿と一緒の撮影でーす。ほら、瑠璃さん、笑って」
 瑠璃も思わず笑みがこぼれた。太の体を横から強く抱きしめた。二人の戯れを興味深そうに鹿の親子は眺め続けている。
 晩秋の夕暮れは早い。二人が浮御堂に座ったころには陽は西の空に暮れようとしているところだった。二人は静かに抱き合いながら夕暮れが奏でる色彩の旋律に身を浸していた。燃え立つように彩られた夕焼け空に浮かぶ五重塔のシルエットが印象深い夕暮れを演出している。
 太は夕景から顔を瑠璃に向けて突然思いついたようにぽつりと話した。
「瑠璃さん、結婚しよう」
 瑠璃は少し驚いて顔を強張らせた。そして徐々に頬の筋肉が緩み優しい眼差しが戻ってくるとそのまま太の胸に顔を埋めて云った。
「うん。いいよ。でも太君がちゃんと就職して私を養えるようになってからね。私待っているから」
 瑠璃は顔を上げて太の顔を優しいほほえみを浮かべながら見上げた。
「そ、それは、どういう意味かな?OKってこと?」
「そうだよ。でも一年に一回くらいはブランドバッグ買えるような生活させてくれないとだめだよ」
 戯れる二つの影は赤く染まった西の空に照らされてシルエットとなり二つの影が一つに重なったようだった。そこから少し離れた木橋の上では鹿の親子が静かにその影を見つめ続けていた。
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