ステージ1:制作秘話
文字数 927文字
目の前に立ちはだかる巨大な壁を見上げる二人。当初の予定ではエリふたり分ぐらいの高さに収めるつもりだったのが、オバケの
という言葉に押されて、さらに一人分の高さを追加すると
と煽られて、ついに十人分の高さまで達してしまった。
エリは隣にいるオバケに心配そうな面持ちで尋ねた。
しかしオバケは満足そうに笑って答えた。
納得しきったわけではないが、自分がこういうことに疎いことやオバケの自信満々なところ、関係もないのに嫌な顔ひとつせず協力してくれていることもあって、エリは彼のことを信じてみることにした。これで仕掛けの大きさが決まったので、次は重さを考えなくてはいけない。現状はほぼほぼ重さがなく寄りかかっただけでも動いてしまうぐらいだが、もちろんこれでは壁に擬態させている意味がないので、もうすこし重量を与える必要がある。
エリは重たくすると途中で疲れて嫌になってしまうかもしれないことが心配でひとりでも軽々と押せるぐらいがいいと思っているのだが、大きさの件もあってオバケに助言を求めた。
こればっかりは感覚の話なのでふたりで協力したりエリひとりで押したりして、何度も何度も確認して微調整し、一応の重さが決定した。
その問いかけにエリはすこし考えて、