エピソード5:上をむいて
文字数 891文字
リラはさっそくエリに話しかけた。
するとエリは首をかしげた。
エリは見上げながら言った。
リラに頼まれて力強くうなずいたあと、エリは本棚の上を探すため天井ちかくまで浮かんでいく。首を左右に振ってあたりを見回すと、なにかに気づいたらしくそちらの方に飛んでいき、そしてなにか白い紙のようなものを手に帰ってきた。
そう言ってエリはリラに持ってきたものを渡した。
リラはそれを受け取り眺めた。エリが手に入れてきたものは一枚の紙で、それにはこう書かれている。『今のが答え』そして右下に『わからなかったら裏面を見てね』と。
リラは眉間にしわを寄せた。
そう言ってリラはふたたび頭をめいっぱい働かせた。今とはいったい? 本棚? 上? エリ? 飛んでいく? あれこれ思い浮かべて、なにを指しているのかさんざん頭を悩ませたものの、いまいちピンとこない。すると、
とふいにエリが言った。
謎が書かれた紙から顔を上げてリラは得意げに返した。本当のところはエリのことを考えていたから気がついたのだが、内容が内容なだけにそうとは言いづらかった。
と息巻いたのはいつのことやら、十分ちかくがすぎてもいまだ答えは出ないでいる。そんな状況だからか、特に変わったところのない沈黙にリラの胸のなかで気まずさが起こり、なにげなくといったふうを装ってエリに聞いた。
彼女は沈んだ声で答えた。
リラはいったん難色を示したが
すぐにそう言って紙をひっくり返した。
裏面には『ランプの場所がヒント』と書かれていた。