エピソード6:扉はそこに
文字数 1,017文字
リラはまた眉をひそめた。
そんな彼女の様子を見てエリは尋ねた。
リラがうなずいたあと二人してランプのほうへ顔を向けた。四隅の天井ちかくのランプが淡いオレンジ色の光を彼女たちへ投げかけている。とりあえずふたりは近場のものの真下へと歩いた。そしてそれを見上げたが、リラの方はすぐに目をそらした。ランプのカバーがカプセル型のガラスのため、直視していられなかったのだ。
真正面から光を浴びている彼女にリラは尋ねた。
見つめたままエリは答えた。
そう返事をしてエリはふっと浮かんでいきランプを調べ始めた。
ランプを調べ終わりエリがリラの隣に降りる。
口をへの字に曲げてリラは言った。エリはその疑問には答えなかった。またすこし静かな時間がただよいながれ、ふいにエリが口を開いた。
『そうかも』と言いかけたところでリラはピコンと閃いた。
頭を悩ませていた難題が解け、リラはすっかり興奮していた。
そして待ちきれないといったふうに頼んだ。
その期待に応えるためにエリは天井まで飛んでいきあたりを調べ始めた。その後姿にリラは声をかけた。
言われたとおり真ん中を調べ出してまもなく、
とエリが小さく声をもらした。
リラは期待に満ちた声を発した。
そういうとエリは右手の人差し指を立てて天井を押した。するとクルッと半月型の取っ手が顔を出した。それを見てリラは目を輝かせる。エリは取っ手を掴んでからリラを振り返った。リラがその目線にうなずいて答えると、エリは力を込めた。ギーっと重たく木の軋む音が部屋に響き渡る。天井にぽっかり四角い穴が空き、ほのかなあかりがそそがれる。