エピソード2:あの世の事情
文字数 1,309文字
しかし、オバケが立ち去ってもなお、二人はその場に突っ立っていた。もう十数秒。やっとリラは我に返って、エリのほうへ顔を向けおそるおそる言った。
エリはあっけらかんとして言った。
明かされた事実に雷を打たれ一瞬かたまったあと、リラは信じられないといった目でエリに尋ねた。
自分のはやとちりだと知ってリラは頭と肩をガックリと落とした。エリは彼女の反応を不思議に思って尋ねた。
顔を上げてそう答えたあと、リラはため息をこぼした。
エリはリラの質問の意味がわからなかったようで首をかしげて聞き返した。
問い返されたリラは、腕を組んだり両手をボウルを持つときのような形にしたりと、落ち着かない様子で言葉にした。
そう前置きをしてエリは話しはじめた。
リラは自分の知らない世界の事情に感心して、何度もうなずきながら声を漏らしたあと、言いづらそうにたずねた。
しかし、エリは相変わらず気にした様子もなく答えた。
その、この世とあの世で時間の流れ? が違うとかで、こっちで百年経っていてもあっちでは一年だけだったり、反対にあっちで百年こっちでは一年だったりすることがあってちゃんとした時間がわかりにくいみたい。そもそも時計もないし
今の話が本当なら、こうして出会って話しているエリ――自分ともクラスの他の子ともなんら変わったところがない普通の女の子――は、何十年も昔の人なのかもしれない。そう考えるとリラは不思議で不思議でしょうがなかった。しかし、ふと今の話におかしな点があることにリラは気がついた。
その提案にリラは一瞬考えて
そうして二人はおもわぬ第三者――キャラクターみたいなオバケの出現に止まっていた歩みを再開した。