エピソード3:エリの事情
文字数 1,430文字
さっそくリラはエリに話の続きをうながした。
エリはそう言って話し始めた。
リラは最初は神様という言葉に驚いたが、すぐに自分で納得した。そして別に気になることがあったのでエリにたずねた。
同じような方法というヒントをもとにリラはすぐさまその方法がわかり、声をあげた。
とリラが感心していうと、なぜだか妙な沈黙が生まれた。しかしリラにはその原因の見当がついていた。ここまでの話からして次は、エリに『エリはいつ死んじゃったの?』とか『覚えてるの?』とか聞いて、どれくらい時間が経っているのか確かめる流れになっている(気がする)からだ。いちおう最近というのは聞けたけれど、具体的な日時にまで踏み込むのは勇気がいるというか遠慮を捨てないといけない。リラは悩んだ。そしてエリにチラッと視線を向けた。ところが、リラがそうやって悩んでいるとなりで、当の本人は聞いてほしげな視線を何度も送っているのだ。それがよけいにリラをもんもんとさせた。沈黙が破られぬまま少し歩いたところで、とうとうリラは口を開いた。
待ってましたと言わんばかりにエリは食い気味で返事をした。
予想以上の食いつきに戸惑いつつ、リラは思い切って聞いた。
予想外すぎる答えにリラは無意識に大きな声を上げていた。
ほんらいなら悲しむべきところのはずが、まるで他人事のようにエリがさっぱりしているので、リラはただただ驚くほかなかった。
リラはちょっとつついてみた。
が、エリはそれをさらっと流した。リラはため息をついた。どこまでも自分の死に軽いエリに悲しみも驚きも越えて、ひたすら呆れるしかなかった。それからふたりはちょっとした会話をかわして、やがて次の扉のまえに着いた。