エピソード6:おいしいもの
文字数 1,850文字
そう言いながらあれこれと――炭酸や果汁100パーセントのジュース、緑茶やほうじ茶、レモンティーやミルクティーを(コーヒーは飲めないから考えもしなかった)頭のなかに並べて、ふとあることを思い出しすこし悩んだあと
向かい側に座る幽霊の女の子にそう聞いた。
すると意外な答えが返ってきた。
リラは心底びっくりして、おもわず体を起こした。
そう言ったあとリラは袋からお菓子を取り出し机の上に並べて、続けた。
それに賛成してエリもお菓子を机に出した。
リラの前には六個、エリの前には五個のお菓子がある。それを見てリラはニヤッと笑った。
とエリは嬉しそうに言った。
エリに言われて気づきリラは当のオバケを見た。やれやれといったふうに首を振っていた。
謝るリラにオバケはパネルに触れて答えた。
二人の様子を見ていたエリとそのオバケはくすくすと笑いあっていた。
そんなこんなで飲みものはお菓子を見てからということに決まり、そしてそのお菓子は一個一個交互に開けていくことになった。まず開封するのはひとつ多いリラだが、適当なものを手に取ったのでさっそく開けていくのかと思ったら、くるくると回し箱の大きさを確かめると今度は耳元へ持っていき振り出した。いくつもの塊の転がる音がする。そしてもういちど箱の形を確認するとリラは言った。
そう言ってリラがプレゼントボックス模様のラッピングを剥がしていくと、中からとんがり帽子にクッキーが刺さったチョコレート菓子が顔を出した。
それを見てエリは納得した。
そういってリラは拳を固く握りしめるが、すぐにパッと力を抜いた。
それを聞いてエリも微笑んで言った。
次はエリの番だが、彼女が最初に取ったものはラッピングではなくプレゼントボックス模様の紙箱だった。それをリラを真似て耳元で振ってみた。カサカサと軽い音がする。
そう自信なさげに答えたあとエリは紙箱の口を探して開け、中を覗き込んでそれを引っ張り出した。黄色いパッケージの袋が音をたて、それからジャガイモの体をしたキャラクターが顔を見せた。
エリは嬉しそうにうなずいた。
そんな他愛もない話をしながら二人はラッピングやらボックスやらを開けていった。空飛ぶ円盤の上には、今開けたチョコとポテトチップスのほか、クッキーやおせんべい、ポップコーン、バウムクーヘン、どら焼きなんかもある。ずらりと並んだ戦利品にリラは目を輝かせる。エリもさっきから顔があっちこっちと動き回っている。
リラは楽し気に同意をし、くちびるをとがらせ唸ったあと
そう言ってキノコを手に取った。
エリもポテトチップスを取った。