エピソード7:次の道もまた
文字数 844文字
箱を押し終えてさっそくエリはリラに声をかけた。するとリラはすこし息を切らしながら返した。
そしてエリの説明を聞いてリラは感心しうんうんとうなずいた。そんな彼女を
と思いながらエリは静かに見つめていた。
そうして二人はちょっとだけ休憩を入れてから、自分たちの手で作り出した左の道を進んだ。しかしそこもエリの報告どおりすぐに行き止まりにぶつかってしまったが、もう攻略法がわかっている二人はさっそくスキマを探し始め、まもなく計九つのスキマを発見した。そう、困ったことにまっすぐにも右にも左にも道が隠されていた。
その事実を知ってリラは頭をガックリと落とした。
そんないかにも面倒くさいと言いたげなリラの反応に、エリは聞きづらそうな様子で尋ねた。するとリラは腕を組み少々考えたあと言った。
リラがそう言ったとき、わずかにエリの体がピクっとしたが彼女はそれに気がつかなかった。しかし、もし気がついたとしても勘違いとするかたいして気にしないかのどちらかだったはず。そのぐらいささいな反応だった。
リラの返事を聞いてエリはそっと正面のほうから正解の道を探しに行った。そしてリラはというと、その姿が全部見えなくなるまで見届けてから、自分の何十倍もある巨箱を背もたれにして膝を抱え静かに彼女の帰りを待ち始めた。