四人の彼
「最初は、ただの仕事のやりとりだった。」
『彼』とは仕事を通じてメールでのやり取りが始まり、やがてその交流が日常の一部になった。
テクノロジーに支えられたデジタルな関係の中で、彼の存在は徐々に私の心に深く入り込んでいく。
けれど、実際に会う彼は、メールの彼とは少し違う。
そして、それは私を救いに来てくれたあの時の彼とも、また違って見える。
彼の行動やメールの内容には、まるでプログラムの『コード』のように解読が必要な何かが隠されている。
仕事と感情が入り乱れ、私は彼の「本当の顔」を知りたくなる。
「対面で会う『実体の彼』」と「私の知らない『プロフェッショナルとして働く彼』」、そして「私をいつも優しく支えてくれる『メールの彼』」が私には全て別人に見えてくる。
私は文字の彼に安心感と信頼を寄せているのに、実体の彼の私を試すような行動が気になって仕方がない。
デジタルツールをメインとする間柄で、ビジネスと恋愛が交錯する中、私はつかみどころのない彼に悩みながら、それぞれの彼との距離を測り続け、近付いたり離れたりを繰り返す。
この物語は、新しいジャンル。
仕事の進行と共に二人の心の動きが進展していく、テクノロジーと恋愛が織りなす『テクノロジーロマンス』、略して『テックロマンス』です。
コメント:
■エピソード『再会』がターニングポイント。
『再会前』は恋愛・ラブコメ要素が強め、『再会後』はテクノロジー用語やミステリー要素が強めです。
■基本的に時系列順ではありますが、実話を小説化しているノンフィクション作品のため、思い出したときに過去のエピソードを追加することがあります。
目次
連載中 全38話
2024年09月16日 20:45 更新
- プロローグに入る前に 公開日: 2024/09/14
- プロローグ 公開日: 2024/08/28
- 助けて、ヘルプデスク! Rev3 公開日: 2024/08/21
- ヘルプデスクは『王子様』? Rev3 公開日: 2024/08/24
- カフェオレ派の彼 Rev1 公開日: 2024/08/17
- ヘルプデスクのコーチング 公開日: 2024/08/17
- やっぱり『若い』が正義? Rev1 公開日: 2024/08/17
- 異動の挨拶 公開日: 2024/08/17
- いらだち Rev3 公開日: 2024/09/03
- 忘れられない彼の視線 公開日: 2024/08/17
- 『私専用』ヘルプデスク Rev1 公開日: 2024/08/25
- 文字の彼 Rev1 公開日: 2024/08/17
- メールに隠されたメッセージ 公開日: 2024/08/27
- 休日出勤と彼の優しさ Rev1 公開日: 2024/08/21
- ヘッドセットの選定 公開日: 2024/08/31
- 再会 公開日: 2024/08/17
- 不可解なアピール 公開日: 2024/08/17
- ヘッドセット動作確認テストの『予約』 公開日: 2024/08/31
- 先輩の強引な気遣い 公開日: 2024/09/01
- フォントに込められた想い Rev1 公開日: 2024/09/01
- ヘッドセット動作確認テスト『本番』 公開日: 2024/08/31
- ヘッドセット動作確認テスト『その後』 公開日: 2024/09/01
- 「お見かけしませんでしたね。」 公開日: 2024/08/28
- 彼の意図 公開日: 2024/08/28
- 理想の彼 公開日: 2024/08/31
- ぼろぼろの私と『思い出の彼』 公開日: 2024/09/02
- 『王子様』の定義 公開日: 2024/09/03
- C durの私、C#の彼 Rev7 公開日: 2024/08/27
- 文字の彼 ─ その言葉は、『定型文』? Rev3 公開日: 2024/09/06
- EXEファイルの中身を見るには Rev2 公開日: 2024/09/08
- 進捗会議と『名無し』のシステム部 (1) Rev2 公開日: 2024/09/14
- 進捗会議と『名無し』のシステム部 (2) 公開日: 2024/09/10
- 進捗会議と『名無し』のシステム部 (3) 公開日: 2024/09/11
- 小説の私 ─空白のメール─ 公開日: 2024/09/11
- 現実の私 ─空白のメール─ 公開日: 2024/09/11
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- 欲望が見せる夢 【R15作品】 公開日: 2024/09/16
登場人物
実体の彼:年令不詳だがおそらく私より年下
優しい、誠実な仕事ぶりの中途入社社員。
こちらから話しかけない限り、ほとんど話さない静かな性格。
私は彼がどの程度年下なのかが分からず落ち着かない。
あるきっかけで私と長い期間社内メールでのみ個人宛てでやりとりをする関係になる。
その後再会した彼は、今まで私が知る彼とは言動、行動が違っていて私は受け入れられず混乱している。
文字の彼:私と一番長く過ごしてきた彼。
私は再会するまで彼の顔は思い出せず、『文字の彼』として受け入れていた。
私のトラブルをいつも気にかけ、いつでもすぐにメールで助けてくれる安心感のある彼。
彼のただ一つの謎はこんなに優しいのに『感情』が入った文章には一切反応をしないこと。
自称イケメン(ただし本当にイケメンです。)の先輩。
自分に自信があり、仕事も顔も自分が一番だと思っている。
ただ、既婚者なのに女の子をひっかけているところはクズである。
私にはないものばかりで、『ある意味』あこがれの先輩。
『彼』への想いの相談相手になってもらったが…
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