忘れられない彼の視線
文字数 672文字
彼の視線にまつわるエピソードが1つある。
彼が移行期間の時、定時後の帰り道に以前のオフィスに戻って来るときがあった。
私はたまたまそのとき彼にすれ違い少し立ち止まって話をしたのだ。
「あの…仕事とは関係がないのですが…」
「?」
「~というゲームはされますか?」
彼は驚きながらなぜという表情で笑って頷いた。
そのゲームはどの武器を使うのかがその人の性格が出て、印象的なゲームなのだ。
私は勢いに任せて
「~さんはどの武器を使いますか?」
と聞いてみた。
「…全部です」
と答えられてしまい、私はまた彼のことを少し知る機会が無くなってしまった。
ただ彼は興味を持ったのか私のことをしばらく見ていて、私も彼のことを見ていた。
私は何か彼に見透かされたように思えて視線を外した。
すでに暗い時間で廊下には明かりが無く暗闇に彼の表情が分かるか分からないかくらいの頃。
また彼に視線を戻すと彼はまだ私を見ていた。
しかも視線に力を込めて。
そのとき「あ、取られた」と思った。
私は全身が燃えるように熱くなりぞくぞくした。
私は視線だけでここまで心を波立たせた人を今まで知らない。
自分を保てなくなった。
「うわー、何歳なんだろう?」といたずらそうに笑うと先輩から電話が着ていてもう行かないといけないからと彼は暗闇に消えていった。
「何歳なんだろう」という言葉は重石となって私に積み重なっていった。
彼の望まない年なら除外されるのだろうか。
それならなんとかしてその期間を延ばさないと…。
と思った矢先、次の日には休憩中の彼の同僚にひょんなことから私の年齢がバレてしまったのだが。
あーあ、さよなら、私の恋。
彼が移行期間の時、定時後の帰り道に以前のオフィスに戻って来るときがあった。
私はたまたまそのとき彼にすれ違い少し立ち止まって話をしたのだ。
「あの…仕事とは関係がないのですが…」
「?」
「~というゲームはされますか?」
彼は驚きながらなぜという表情で笑って頷いた。
そのゲームはどの武器を使うのかがその人の性格が出て、印象的なゲームなのだ。
私は勢いに任せて
「~さんはどの武器を使いますか?」
と聞いてみた。
「…全部です」
と答えられてしまい、私はまた彼のことを少し知る機会が無くなってしまった。
ただ彼は興味を持ったのか私のことをしばらく見ていて、私も彼のことを見ていた。
私は何か彼に見透かされたように思えて視線を外した。
すでに暗い時間で廊下には明かりが無く暗闇に彼の表情が分かるか分からないかくらいの頃。
また彼に視線を戻すと彼はまだ私を見ていた。
しかも視線に力を込めて。
そのとき「あ、取られた」と思った。
私は全身が燃えるように熱くなりぞくぞくした。
私は視線だけでここまで心を波立たせた人を今まで知らない。
自分を保てなくなった。
「うわー、何歳なんだろう?」といたずらそうに笑うと先輩から電話が着ていてもう行かないといけないからと彼は暗闇に消えていった。
「何歳なんだろう」という言葉は重石となって私に積み重なっていった。
彼の望まない年なら除外されるのだろうか。
それならなんとかしてその期間を延ばさないと…。
と思った矢先、次の日には休憩中の彼の同僚にひょんなことから私の年齢がバレてしまったのだが。
あーあ、さよなら、私の恋。