ぼろぼろの私と『思い出の彼』
文字数 534文字
彼と再会したのが6月の終わりくらい。
今は7月の半ばだ。
理想の彼に悩まされて2週間以上が経った。
情緒がぼろぼろだった。
それでも業務中は集中できているから良かった。家に帰ったらひたすら泣いた。
何が悲しいのかもはや分からない。
ただ、彼は『自分のものにはならない』ということだけはなぜか確信していた。
私は彼との思い出にすがっていた。
「あなたと話すのは楽しい」
(参照:助けて、ヘルプデスク! )
「異動してからも何かあれば連絡していいですよ」
(参照:異動の挨拶)
『思い出の彼』は私に確かにそう言った。私は理想の彼でなく実際の彼と私の思い出にしがみつくことで彼と私の可能性はまだあるように見せかけようとした。
それは誰かではなく自分自身にだ。
でも、肝心の彼自身が忘れてしまったらどうなるのだろうか。
ヘッドセットの動作確認の時、彼は『王子様』のエピソードを完全に忘れていた。
その瞬間そのエピソードを持つ『思い出の彼』が一瞬で居なくなったように感じた。
共有できなくなったとき、思い出の彼は消えてしまう。
覚えていて欲しいと思っても、忘れていたらと思うと怖くて聞けない。
せめて今、彼は私とメールのやりとりをしつづけている理由は覚えているのだろうか。
彼はどうして私に付き合い続けているのだろう。
今は7月の半ばだ。
理想の彼に悩まされて2週間以上が経った。
情緒がぼろぼろだった。
それでも業務中は集中できているから良かった。家に帰ったらひたすら泣いた。
何が悲しいのかもはや分からない。
ただ、彼は『自分のものにはならない』ということだけはなぜか確信していた。
私は彼との思い出にすがっていた。
「あなたと話すのは楽しい」
(参照:助けて、ヘルプデスク! )
「異動してからも何かあれば連絡していいですよ」
(参照:異動の挨拶)
『思い出の彼』は私に確かにそう言った。私は理想の彼でなく実際の彼と私の思い出にしがみつくことで彼と私の可能性はまだあるように見せかけようとした。
それは誰かではなく自分自身にだ。
でも、肝心の彼自身が忘れてしまったらどうなるのだろうか。
ヘッドセットの動作確認の時、彼は『王子様』のエピソードを完全に忘れていた。
その瞬間そのエピソードを持つ『思い出の彼』が一瞬で居なくなったように感じた。
共有できなくなったとき、思い出の彼は消えてしまう。
覚えていて欲しいと思っても、忘れていたらと思うと怖くて聞けない。
せめて今、彼は私とメールのやりとりをしつづけている理由は覚えているのだろうか。
彼はどうして私に付き合い続けているのだろう。