戦乱
文字数 566文字
シラコ国がドラゴンとの戦の準備を始めると、近隣の国は脅威を感じた。
「ドラゴンとか言っているが、本当は我が国に攻め込む準備ではないか?」
近隣諸国は同盟を結び、シラコ国に対抗する用意を始めた。
シラコでは戦禍を恐れ、逃げ出す者も増えた。国境は封鎖、各所で小競り合いが続く。シラコはドラゴンとの戦いの前に、周辺諸国との戦いに勝たねばならなくなった。戦況はシラコにとって不利だった。国境の警備は益々厳しくなり、イゴーとトットも国境を越えられずにいた。
カナタたちのいる自治区も例外ではなかった。エストラットの兵士達が進軍してくると、貴族も兵士もいない自治区は、いとも簡単に占拠された。すぐにシラコも対抗した。国境から迫撃砲が飛ぶ。猟師達は神大島に逃げた。誰もいなくなった小さな港町では毎日銃声が鳴り響いた。
やがて、予言の日がやってきた。夜になると月が徐々に赤黒くなり始めた。月が完全に赤銅色に染まった時、その怪物はシラコの王都に現れた。巨大な翼で空を自由に飛び、鋭い歯と爪とで街を破壊した。
「ドラゴンが出た!」
人々は逃げ惑った。用意した武器はあまりに貧弱で、重い鉄の玉も臭い油も役に立たない。国境の兵士達は王都に呼び戻された。近隣の国もドラゴン対策に追われた。
イゴーとトットは混乱に紛れて神大島に向かった。
「ドラゴンとか言っているが、本当は我が国に攻め込む準備ではないか?」
近隣諸国は同盟を結び、シラコ国に対抗する用意を始めた。
シラコでは戦禍を恐れ、逃げ出す者も増えた。国境は封鎖、各所で小競り合いが続く。シラコはドラゴンとの戦いの前に、周辺諸国との戦いに勝たねばならなくなった。戦況はシラコにとって不利だった。国境の警備は益々厳しくなり、イゴーとトットも国境を越えられずにいた。
カナタたちのいる自治区も例外ではなかった。エストラットの兵士達が進軍してくると、貴族も兵士もいない自治区は、いとも簡単に占拠された。すぐにシラコも対抗した。国境から迫撃砲が飛ぶ。猟師達は神大島に逃げた。誰もいなくなった小さな港町では毎日銃声が鳴り響いた。
やがて、予言の日がやってきた。夜になると月が徐々に赤黒くなり始めた。月が完全に赤銅色に染まった時、その怪物はシラコの王都に現れた。巨大な翼で空を自由に飛び、鋭い歯と爪とで街を破壊した。
「ドラゴンが出た!」
人々は逃げ惑った。用意した武器はあまりに貧弱で、重い鉄の玉も臭い油も役に立たない。国境の兵士達は王都に呼び戻された。近隣の国もドラゴン対策に追われた。
イゴーとトットは混乱に紛れて神大島に向かった。