ウトミーヤ
文字数 491文字
穴ウサギのウトミーヤは悩んでいた。このままジャファールについていていいのかと。もともと穴ウサギの天敵として置かれた蛇族だ。いつ裏切られるとも知れない。
蛇のジャファールは虎の『器』が人間と穴ウサギを狩っていると告げてきた。蛇の言うことだ。にわかには信じがたかったが、ウトミーヤはそれを確かめに出かけた。ジャファールの言う通りだった。虎と人間が巣穴を襲い狩りをしてた。ジャファールは獣が復活した暁には、ウサギ達を獣の主として人間を支配させると約束した。蛇の約束だ。まともに信じちゃいない。しかし、人間の残酷さに比べたらましに思えた。
他の『器』に与えられた力は武器になりそうなものばかりだった。馬の蹴り、トラの足爪、鹿の角、ワシの翼、サメの歯、蛇の牙。それに比べ自分達ウサギには目だ。どんなに優れた目でも戦いには向かない。そのため、ウサギはひたすら逃げることで生き延びてきた種族なのだ。せめて、強力な尾でももらえていたら。予言の日が来れば、すべて明らかになるだろう。そう考えて今はジャファールに従うことにしていた。
ウトミーヤは神小島に向かう漁船に紛れて、カナタ達を追った。
蛇のジャファールは虎の『器』が人間と穴ウサギを狩っていると告げてきた。蛇の言うことだ。にわかには信じがたかったが、ウトミーヤはそれを確かめに出かけた。ジャファールの言う通りだった。虎と人間が巣穴を襲い狩りをしてた。ジャファールは獣が復活した暁には、ウサギ達を獣の主として人間を支配させると約束した。蛇の約束だ。まともに信じちゃいない。しかし、人間の残酷さに比べたらましに思えた。
他の『器』に与えられた力は武器になりそうなものばかりだった。馬の蹴り、トラの足爪、鹿の角、ワシの翼、サメの歯、蛇の牙。それに比べ自分達ウサギには目だ。どんなに優れた目でも戦いには向かない。そのため、ウサギはひたすら逃げることで生き延びてきた種族なのだ。せめて、強力な尾でももらえていたら。予言の日が来れば、すべて明らかになるだろう。そう考えて今はジャファールに従うことにしていた。
ウトミーヤは神小島に向かう漁船に紛れて、カナタ達を追った。