復活の儀式

　サタドゥールに連れられた『器』らは、ゲノと王城の堀から内部の水路に入っていった。行き止まりの先には台の上に巨大な塊があった。獣の躯だった。
　地上ではサタドゥールが出迎えの兵を従えて、王に謁見していた。
「ただいま、戻りました。用意が整いましたので、これより最終兵器の製造に入ります。地下には、なんびとも入れないように願います。その間にドラゴンが現れましたら、私を待たずに総攻撃をしてください。」
　そういうと、地下へ一人で向かった。
　祭壇の前にやってきたサタドゥールは、『器』達の血を個別の銀の杯に抜き取ると、彼らの名前を呼びながら獣の口に流し込んだ。最後に自分の血を注いだ。
　獣の８つの模様のうち６つに黒い玉が現れた。獣の心臓が脈打ち始める。『器』だった動物は全て蛇に噛まれその場で息絶えた。ジャファールの体である蛇が見守る中で、獣はそのまま数日間、予言の日まで眠り続けた。