予言
文字数 661文字
旅の一行を街からずっと上空でつけているものがいた。一羽のオオワシがはるか空の上からつかず離れずにいる。一行の行く手に黒く高い岩山が見えてきた。ワシはその山の上に飛び去った。
ゼノは山の中腹で馬から降りると、カナタと二人だけで山頂へ向かった。おそらく二千メートルは越えたころだろう。その頂が眼前に迫ってくるに従い、カナタは激しい頭痛と吐き気で前へ進むことができなくなった。
「高山病だな。体が慣れるまで、ここに留まることにしよう。」
一進一退を繰り返しながら、七日後ようやく二人は山頂に着いた。岩だらけの急な崖にワシ達の巣があった。
その中のひときわ大きな一羽の羽根にカナタの額のアザによく似た白い模様があった。彼もまた8つの動物の1つだった。
「お前たちをずっと上から見ていた。よくここまで来たな。おれのことは、ハイアットと呼べ。」
そのオオワシは翼を広げて、カナタに語りかけてきた。
「予言の日は近い。一緒に来てくれないか?」
ゼノの言葉にオオワシは一声大きく鳴いた。
そのころカナタの育ったシラコ国では、予言師サタドゥールの新たな予言に人々は怯えていた。
「邪悪な『いにしえの獣』を復活させようとするやつらがいる。復活した獣は、人の知恵を恐れ滅ぼしにくるだろう。」
その獣の名はドラゴン。巨大な翼で空を飛び、優れた目や鼻で獲物を見つけ、鋭いつめや長い尾で戦う伝説の生き物。シラコ国王はその獣を迎え撃つための巨大な武器を造り始めた。国中から職人が集められ、重たい鉄の玉や臭い油を噴出す武器などが造られた。
ゼノは山の中腹で馬から降りると、カナタと二人だけで山頂へ向かった。おそらく二千メートルは越えたころだろう。その頂が眼前に迫ってくるに従い、カナタは激しい頭痛と吐き気で前へ進むことができなくなった。
「高山病だな。体が慣れるまで、ここに留まることにしよう。」
一進一退を繰り返しながら、七日後ようやく二人は山頂に着いた。岩だらけの急な崖にワシ達の巣があった。
その中のひときわ大きな一羽の羽根にカナタの額のアザによく似た白い模様があった。彼もまた8つの動物の1つだった。
「お前たちをずっと上から見ていた。よくここまで来たな。おれのことは、ハイアットと呼べ。」
そのオオワシは翼を広げて、カナタに語りかけてきた。
「予言の日は近い。一緒に来てくれないか?」
ゼノの言葉にオオワシは一声大きく鳴いた。
そのころカナタの育ったシラコ国では、予言師サタドゥールの新たな予言に人々は怯えていた。
「邪悪な『いにしえの獣』を復活させようとするやつらがいる。復活した獣は、人の知恵を恐れ滅ぼしにくるだろう。」
その獣の名はドラゴン。巨大な翼で空を飛び、優れた目や鼻で獲物を見つけ、鋭いつめや長い尾で戦う伝説の生き物。シラコ国王はその獣を迎え撃つための巨大な武器を造り始めた。国中から職人が集められ、重たい鉄の玉や臭い油を噴出す武器などが造られた。