近衛第一師団
文字数 501文字
「われわれは、団長直属の部下だった。王の密命で『器』を探していた。しかし業を煮やしたサタドゥールは、森の住人と共に人の『器』を殺そうとした。やつが王に取り入り『器』を探させた真の目的は、ドラゴンに対抗できる唯一の存在の麒麟の復活を阻止するためだ。それを知った我々は密かにお前をかくまった。そして、旅ができる歳になるまで、トットは木こりとして、タホトは猟師として、おれは炭焼きとして待った。『器』のことを知る団長と直属のおれたちは反逆者とされ、近衛第一師団はサタドゥールによって解体された。」
得意げに話すイゴーにカナタは尋ねた。
「ぼくの両親もですか?」
イゴーは少し考えると
「もしかしてゲノとユナのことか。お前を育てた父親のゲノは最も腕の立つ団員だった。ユナは団員ではない。団長の娘だ。二人は親子というより、師弟だったな。ユナは団員以上にサーベルの使い手だ。男だったらきっと団員になってたろうよ。あいつらなら大丈夫。今は行方がわからないが、そのうち会えるだろう。」
すこし寂しそうに話すと、手に持ったコップの酒をぐいっと飲み干した。
「さあ、明日潮が引いたら島へ出発だ。今夜は飲み明かすぞ。」
得意げに話すイゴーにカナタは尋ねた。
「ぼくの両親もですか?」
イゴーは少し考えると
「もしかしてゲノとユナのことか。お前を育てた父親のゲノは最も腕の立つ団員だった。ユナは団員ではない。団長の娘だ。二人は親子というより、師弟だったな。ユナは団員以上にサーベルの使い手だ。男だったらきっと団員になってたろうよ。あいつらなら大丈夫。今は行方がわからないが、そのうち会えるだろう。」
すこし寂しそうに話すと、手に持ったコップの酒をぐいっと飲み干した。
「さあ、明日潮が引いたら島へ出発だ。今夜は飲み明かすぞ。」