第61話

文字数 253文字

 それはとても巨きなお星さまみたいでした。あまりにも巨きいので、自分のその質量に耐えられずに地表へと堕ちてきてしまったのかもしれないと佐吉は想いました。

 佐吉はずっと月明かりとばかり思っていたのです。実は暗い森の中で佐吉は恋人と逢っていたのでした。若いふたりの事ですから、キスだけで終わるはずもありません。

 内心、やけに明るい月夜だなとは思っていたのですが、甘い甘い口づけにとろとろに蕩けた佐吉はそれどころではありませんでした。

 むさぼるように恋人の唇を吸い、手にあまるほどの乳房の海で溺れ死にそうでした。
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