第20話 

文字数 328文字

きょうは朝からウキウキしてる
マッチングアプリで知り合った
ミクちゃんと待ち合わせしていた

だいぶ歳の差はあるしブサメンなので
会ってくれるとメールが来た時には
小躍りして喜んだ

若い女性とふたりきりで会うなんて
何年ぶりのことだろう

「限りなく透明に近いブルー」を読みながら
彼女と待ち合わせしている自分

生きててよかった
そんな感慨に耽っていると
ミクちゃんが、いや、ミクちゃんらしき
女性がはにかみつつ
こちらに手を振りながら
近づいてきた

わかるように事前に
互いの服装を教え合っていたので
ミクちゃんに間違いないとは思う

たしかにライダースの色も
髪の色も一致している

ただ
マスクで隠されているその顔は
とても20代前半には見えなかった

それはアラフォーでもなくて
限りなくアラ還に近い ババァ





ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み