第5話
文字数 431文字
バケモノであるこのぼくが
美しいきみに
恋をしてもよいのでしょうか?
髪に白いものが
混じるようになっても
働くこともせず
アスカ命などという
布切れをお鉢に巻いて
DVDを観ながら
毎日踊り狂っている
こんなぼくが
きみに恋をする
そんな
資格があるでしょうか
jinsで誂えた
牛乳瓶の底みたいな
レンズを透して
ぼくは毎日きみを
群衆のなかから
見つめています
きみはきのう
バラ色のコートを着て
ランウェイを歩いていましたね
その光景が
焼き付けを起こした
ディスプレイみたいに
ぼくの視床下部だか網膜に
焼き付いて
離れないのです
この狂おしいほどの
きみへの思慕を
ぼくはいったい
どうしたらいいのでしょう
きみのことを考えるだけで
泣いてしまうほど
きみを愛しています
きみのことを想うだけで
なぜか背中がぞくぞくし
震えるほど哀しくなって
泣いてしまうのです
こんなぼくでも
夢見るくらいは許してください
きみとの幸せな日々を
ぼくの人生にとって
最高最良のそのときを
そして
きょうもぼくは
アスカ命で
踊り狂うのです
そして
明日も
あさっても