第22話

文字数 219文字


きみに捧ぐ


夏の終わりに きみと連れ立ってゆかう
あてなどなにひとつないし
約束されている事もない
知らされていることもなにもない

行き先は頬なぶる
すがすがしい風に聞いてみよう

何も持たない あるのは夢想だけの
このろくでなしと
荒波に揉まれる 一葉の病葉のやうに
遠く長く険しい道のりをゆかう

ただ この舟は
あっけなく転覆するかもしれないし
座礁するかもしれない

だが 約束する
この天と地のあいだで
きみを心底愛すよ

震えるほどの 胸いっぱいの
愛の花束を きみに
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