第52話
文字数 216文字
俺はその日も無職だった
誰もいないだだっ広い公園のベンチに座り
駅のスタンドからもらってきた求人誌を見ていた
さっき駅頭にひとり佇んでいたら白いバンが目の前に止まり中から出てきた男が俺に向かって手招きした
なんだろうと思った
男は車に乗れと顎をしゃくった
紙袋を持っていたので日雇い人夫と思われたらしい
いっそのことバンに乗って見知らぬ現場で言われるまま雑用でもやったら人生が好転したのかもしれなかった
ああ 神様
まだまだ堕ちないとダメなのですか?
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