第39話
文字数 779文字
すぐさま右手に握っていた紙コップを口に持っていき、水で薬を流し込む。
これでいい。これでいいんだ。
一瞬の躊躇いも嘘のように心は晴れ晴れとしていた。
夏の陽は長い。夕方だが、まだ傾いてもいない。
これでこの世界の見納めだ。
窓の外に見える青空と木々を目に焼き付け、芽衣里はベッドに横たわった。
言われた通り、徐々に眠気が襲ってきた。
これでいい。このまま眠るように逝った方が幸せに違いない。
そう思い瞳を閉じた。
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「芽衣里はどうしてそんなに強いの?」
「あのね、望菜実の初節句、今年はやらずじまいだったから、来年やろうと思うの。それとね、まだ早いけど七五三のお祝いもしたいなって...」
「ボスママ的な人がいるんだよね。それとその取り巻きが。そのボスママの提案とか意見は絶対でさ。そこから逸脱してると、見下される、というか...」
「私、仕事も辞めてるし、ずっとこうやって下に見られて行きてくのかな、って不安になっちゃう...」
「芽衣里はいつもどんな時も自分の道を進んでいて、世間体とか全然気にしないで。それでいて優しくて。どうしたらそんな風に生きられるのか知りたいよ...」
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まどろんでいく芽衣里の脳裏に、張り詰めたなるみの表情が現れる。どこまで行ってもなるみは追いかけてくる。脳内になるみの顔が、声が、充満した。それだけでなく、望菜実まで登場し出した。
これでいい。これでいいんだ。
一瞬の躊躇いも嘘のように心は晴れ晴れとしていた。
夏の陽は長い。夕方だが、まだ傾いてもいない。
これでこの世界の見納めだ。
窓の外に見える青空と木々を目に焼き付け、芽衣里はベッドに横たわった。
言われた通り、徐々に眠気が襲ってきた。
これでいい。このまま眠るように逝った方が幸せに違いない。
そう思い瞳を閉じた。
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「芽衣里はどうしてそんなに強いの?」
「あのね、望菜実の初節句、今年はやらずじまいだったから、来年やろうと思うの。それとね、まだ早いけど七五三のお祝いもしたいなって...」
「ボスママ的な人がいるんだよね。それとその取り巻きが。そのボスママの提案とか意見は絶対でさ。そこから逸脱してると、見下される、というか...」
「私、仕事も辞めてるし、ずっとこうやって下に見られて行きてくのかな、って不安になっちゃう...」
「芽衣里はいつもどんな時も自分の道を進んでいて、世間体とか全然気にしないで。それでいて優しくて。どうしたらそんな風に生きられるのか知りたいよ...」
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まどろんでいく芽衣里の脳裏に、張り詰めたなるみの表情が現れる。どこまで行ってもなるみは追いかけてくる。脳内になるみの顔が、声が、充満した。それだけでなく、望菜実まで登場し出した。