最終話

文字数 578文字

自分が消えたらなるみと望菜実親子はどうなるのか。あの二人に後追いなんて、絶対にして欲しくない。

いかん。目を覚まさなければ。

目を覚まして、ナースコールを押すんだ。吉田に、若生に、事情を話して中断しなくては。

だが、もはや芽衣里の瞼は重く、動きそうにない。

闇の中、芽衣里はもがいた。

なんとか、ナースコールを押そう。確か枕元にあるはずだ。

襲いくる眠気に抗い、芽衣里は手を頭の近くへと這わせた...


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......プルルルル、プルルルル、ガチャ。

「突然のお電話失礼致します。私は関東医科大学病院医事課の田村と申します。...様のご自宅でよろしいでしょうか?...はい、あっ、ご家族様でいらっしゃいますね。恐れ入ります、ただ今少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?...ありがとうございます。本日、...様ですが、当院で希望死外来をご利用になられ、お亡くなりになられました。この度はお悔やみを申し上げます。...はい、ええ。ご本人様のご希望とご同意をいただいてのご利用となられますので、法的な問題はございません。つきましては今後についてご案内させていただきたく、お電話しておりまして...」



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登場人物紹介

大野芽衣里、37歳。

特技、趣味、欲なしで生きてきたフリーター。

坂月なるみ、37歳。

芽衣里の中学時代の友人。

長年不妊治療をし、やっと出産を果たす。

坂月望菜実、0歳。

なるみの娘。

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