ウェイトレス⊂メイド
文字数 830文字
さて。
メイドはウェイトレスではないという低レベルな話についてだったな。
果たして、そうだろうか。
なるほど、メイド喫茶のメイドは子守をしない。
なにしろメイド喫茶に子守が必要な年齢の客はターゲット層に入っていないのだろうから。
であるならば、メイド喫茶には最初からナニーメイドの役割はないと言ってもいい。ないものはないのだ。だから考慮に値しない。
メイド喫茶を清潔に保つため彼女たちは毎日掃除をしている。これはハウスメイドに該当する。
問題ない。
お客が来るとメイド喫茶のメイドたちは主人あるいは女主人としてお客を扱っている。そして給仕を行う。それはまさにレディースメイドであり、パーラーメイドである。
問題ない。
以上のことから、メイド喫茶のメイドはメイドであると断言できるわけだ。
異論は許されない。
その他にある程度の低いイチャモンといえば衣装についてだろうか。
曰く、スカートの丈がどうだの、生地の質がこうだの。
あー、いいかね?
そんな些細なことを気にして、胃が痛くならないか?
――スカートの丈。
ロングでもミニでも構いはしない。
スカートの丈に貴賤はないと信じる紳士なのだからな!
――ホワイトプリム派? シニョン派?
健一ぐらいのレベルになるとそんな違いは違いとは言わない。
メイドという尊い存在がある。それ以外に何が必要だと言うのだ。
――はわわ、ご主人様!
はわわは正義!
そもそもだ、日本に今あるメイド文化が花開く前は、メイドというものはほとんど認知されていなかったようなものなのだ。
メイドを愛する健一のようなピュアな心を持つ者たちは、パイなどが有名なおっぱいのところを強調する制服や、関西方面にあったパン屋の青と白のチェックの制服などを見てカラカラに乾いた心を癒していたのだ。
その頃に比べれば、今はなんと恵まれているのか!
暗黒期を過ごしてきた健一たちのような開拓者に向かって指差すのは間違った行為なので改めるべきである。うむ。