目指すべき頂点
文字数 525文字
もちろんレゼルバにも尊敬する冒険者がいる。
ク・ホリイという槍使いだ。
俊敏性、単独での生存能力に加えて、パーティーリーダーとしても仲間を守りながら戦うことができる彼を心から尊敬していた。
ヒビト、ミウラ、ク・ホリイは彼らにとってのあこがれの英雄、目指すべき頂点だ。
しかし、先輩冒険者のマレスコはレゼルバたちが憧れる冒険者が束になってもギルドマスターにはかなわないという話をしてくれた。
悪い先輩ではないのだが、少々話を盛りがちなところがあるのをレゼルバは知っていたので頭から信じているわけではない。
それはきっとツェラーやジョルジュも同じだっただろう。
にもかかわらず、この前、また三人で飲んだときに彼らは異口同音にこう言ったのだ。
ジョルジュは真面目で仲間想いのいい奴なのを知っているので、熱心にすすめられれば無下にすることもできなかった。
だからパーティーの休息日とギルドの訓練日が重なった今日、顔を出してみようと思ったのだ。