意外な講師
文字数 899文字
パルメの挨拶に軽く手を挙げてカレタカが応える。
彼の手には二振りの訓練用の剣が握られていた。
ジョルジュの前にカレタカが立つ。
返事をすると、パルメは戦闘希望者を連れていく。
その後ろ姿を茫然としながらジョルジュは見送った。
この場に残ったのは、ジョルジュとカレタカの二人しかいない。
そう言うと、ジョルジュの返事を待たずにカレタカは地面に腰を下ろす。
少しの間だけ逡巡したが、ジョルジュも地面に座った。
そんなことを言われても、ずっと上の存在だと思っていたギルドマスターとこうして会話をするなんて数分前には思ってもいなかったのだから仕方がない。
頭の中が真っ白になってしまい、心なしか息苦しい。
何かを言わなければと思うのだが、言葉がさっぱり出てこない。
とにかくこの場をつなぐためにも話題を出さなければ。なんでもいい。
その結果出たものはよくわからない話題だった。
いきなりそんなことを聞かれてもカレタカだって困るだろう。