交渉先
文字数 1,066文字
冒険者ギルドではクエストの斡旋以外にも、冒険で獲得したアイテムの買い取りをしている。
買い取るのはアイテムだけではない。重要な情報であればそれに一定の金額を支払ったりもする。
さらにこのギルドでは簡単な食事の提供もしている。
ただしここで食事ができるのはランクが低い冒険者だけと決められていた。冒険者カードを持たない者は食事をすることができないのだ。
冒険者と冒険者ギルドは切っても切れない関係にある。
ギルドが安価で食事を提供するのは金のない駆け出し冒険者たちを支援するという目的があった。
ミレーアが困り顔で対応をしている。
さっきからミレーアに話しかけている少年は動きやすそうで柔らかい素材で上下のデザインが統一された服を着ている。
端的に言えば、彼が着ているのは『ジャージ』だ。
つまり、彼はこの世界の人間ではないということだった。
少年は値踏みするような表情でカレタカを見た。
マサアキはペロリと唇を舐めた。
嬉しそうにマサアキは鼻の下を右の人差し指でこすった。