第35話 暗殺者ザイードの依頼実行が始まる

文字数 819文字

山田保からの一億円の入金を確認した時点で、ザイードは依頼実行のための活動を開始した。
最初のターゲットは、山田保を失脚に追い込んだ直接の当事者で、元聖トマス学園の秘書、山岡沙耶。
三日ほど尾行を続け、通勤ルートを特定した。
(山岡沙耶は、山田保の不倫を匿名でK出版社に暴露、そのままK出版社に転職していた)

実行場所は、山岡沙耶が乗る満員の地下鉄車内。
武器は、中東由来の猛毒を塗った「錐(きり)」。(ほんの少しでも、死に到る)
(直後は効果が出ない、しかし約10分で足が震え歩けなくなり、口から血を噴き出して死ぬ)

地下鉄車両の揺れを利用して、山岡沙耶の太ももを軽く刺した。
山岡沙耶は、一瞬の痛みで、周囲を見回した。
しかし、ザイードは素知らぬ顔。
山岡沙耶も、周囲の乗客も、全く気がつかない。

次のK出版社最寄りの駅で、山岡沙耶と、少し遅れてザイードが降りた。
約2分経ったところで、山岡沙耶が突然転んだ。
周囲から悲鳴が起きた。
「この人!口から血を!」
「誰か駅員を!」
「酷い血!」
「ああ・・・息をしていない!」

ザイードは、スマホで撮影、その動画を、ネットで動画サイトに投稿した。
(山田保に、直接の実行報告は止められていた)
(直後に、暗殺代金として、二千万が、ザイードの口座に入った)

ザイードは、次のターゲットを決めることは難儀した。
「連続性を強めれば、警察の捜査の対象になる」
「今回使った毒は中東産も、すぐに把握される」
「俺を使って来たのは、山田保だけではない」
「山田剛士の仕事もした」
「警察と関係が深い、山田剛士も気づくはずだ、そうなると、俺の身も危なくなる」
「山田剛士は、護衛を強化するかもしれない」
「そうなると、単独犯の俺が山田剛士を襲うのは、相当な準備が必要になる」

「森本華蓮と、杉本香苗、滝口春香にするか」
「どこかの高い屋上に呼び出して」
「突き落す」
「日本の警察は、突き落としても、99%自殺扱いになる」

ザイードは、暗殺方法を突き落としに決めた。
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