第16話 香苗の思い②そして夜這い

文字数 1,048文字

「華蓮は神保町に行って、今夜の夕食、食べて来るんだとさ」
香苗は、由紀子から、聞いて反応に困った。
「最近、少し反抗的だ」と思うけれど、ただし下手に責めて、火に油を注ぐようなこともしたくない。
「他の女の子とデート?」とは思わない。
あの本だらけの神保町を好む女子はいないと思っている。

でも、シレッとした顔で帰って来た時は、苛めたくなった。
由紀子と一緒に叱った。
そうしたら、華蓮は、また反抗した。
(その顏も可愛かったが、華蓮は自分の部屋に閉じこもってしまった)

隣の華蓮の部屋から、シャワーの音が聞こえて来た。
「あいつ・・・私の楽しみを」と思うと、腹が立って来た。
(本当は、華蓮とお風呂に入りたかった)
「私の身体、飽きたのかな」
「最近、太ったし」
(胸は確かに盛った)(問題は太腿も立派、お尻も拡大気味なこと)
「そうかといって、貧乳の由紀子には負けないけど」

そんなことを思っていたら「モヤモヤ」が増した。
「ヤバいな、眠れなくなる」と思っていたら、ひらめいた。
「忍び込めばいいや」

香苗は、自分の下着を脱ぎ捨てた。
バスローブだけを、身にまとって、ベランダに出た。

月は、昨日と同じぐらいの美しさ。
少し冷えた風が吹いていた。
屋敷の数多い大木が、風を受けてサワサワと、音を立てている。
「うん、共寝の月と風かな」
「華蓮の悶える顏を見たい」
「少し苛めて・・・たっぷり、癒してあげる」
ベランダをドキドキしながら、渡った。
(若く張りのある美しい乳房が、プルプルと揺れた)

華蓮の部屋の窓は、鍵がかかっていなかった。
下着姿で、華蓮は、眠っていた。

窓に手をかけて、忍び込んだ。
同じベッドに寝転んで、華蓮の髪を撫でた。
「可愛いなあ」
本当にAI人形みたいだ、と思う。
愛らしく、整っている。
でも、身体を、素肌を触りたかった。
そっと、手を華蓮の胸に這わせようとした時だった。

「香苗!何しているの!」
由紀子の不機嫌な声が聞こえた。
顏を向けると、ネグリジェ姿の由紀子が立っている。
同じように、ベランダ沿いに入って来たと、思った。

「言わせる気なの?」
香苗は、胸を張った。
そのまま、華蓮を抱いた。
しかし、由紀子も負けるタイプではない。
そのままベッドに入り込んで、華蓮を反対側から抱いた。

由紀子は、手を華蓮の下半身に這わせた。
「私、我慢できないかも」
香苗も、頷いた。
「時間の問題だよね」
由紀子は、華蓮の耳をしゃぶった。
「美味しい、ゾクゾクする」
香苗は首筋を吸った。
「いいなあ、このお肌」
由紀子が喘いだ。
「ねえ、しちゃう?」
香苗は、コクリと頷いている。


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