第30話「小悪魔には小悪魔なのです」
文字数 4,083文字
ラプラスの演算では、ここで彼女のすべてを受け入れれば黒金の自殺フラグは完全に消えるとわかっている。
だけど、俺はあえてその選択はとらない。
「おまえを受け入れることはできないよ。俺が好きなのは厚木さんだ。それが人を好きになるってことだからな」
俺の答えに黒金は肩を落とす。笑いたくても笑えないような微妙な顔をこちらへと向けた。
「あーあ、なんかあたし、せんぱいにフラれたみたいじゃないですか。ちゃんと告白もしてないのに。……でも、きっと、せんぱいをフろうと思ってた罰が当たったんですね」
かわいそうだとは思うけど、こればかりは情で流されるわけにはいかない。
「悪いな」
「いいです。せんぱいには感謝してるんですよ。あたし、昨日はかなりヤケになってましたからね。どんな誘いでもホイホイついていって、きっと酷いことになっていたと思います」
昨日は、本来ならば厚木一郎と出会っていたXデーだからな。
彼はたぶん優しい人間で、彼女を放っておけなかったんだろう。彼と会っている間だけはきっと、こいつも一時的な幸せを掴んでいたのかもしれない。
「あんまし無理すんなよ」
「わかってます。今はせんぱいのおかげでだいぶ落ち着いていますよ」
「それならいいんだけどさ」
「せんぱぁい。今日はなんだか、すっごく楽しかったですぅ」
ニコッと笑って耳にかかっている髪をかき上げるという、いつもの小悪魔的なあざとい仕草。そういう演技ができる余裕もできたか。
「そうか、それは良かった。どうする? 家に戻るか? あと一日くらいなら泊まってもいいぞ」
「いえ、大丈夫です。せんぱいのおかげで元気でましたから帰ります」
「無理するなよ」
「あたし、親に期待しすぎてたと思うんです。もしかしたら両親が仲直りしてくれるかもしれないなんて……けどそれも諦めます。たぶん、あたしが卒業するまでは離婚とかないでしょうし」
まだ完全ではない。彼女が家に帰っても再び居場所がないと嘆くだろう。だからこそ、俺はもうひとつの計略を用意した。
計略といったのは、黒金が強制的に居場所を作るためのものだからだ。言葉なんかではあいつの心は癒やせない。だからこその強攻策をとる。
「とりあえず家まで送っていくよ」
そこからは無言だった。時々、ちらちらとこちらの顔を見上げて何か話かけたそうにしていたが、結局は何も話さなかった。
彼女の家まであと数十メートルというところで、道端の電柱の影に捨てられていた段ボールが見える。
その中から聞こえる鳴き声に黒金が反応した。
「あれ? ネコ?」
彼女が駆け出してその段ボール箱に駆け寄る。
「どうした?」
「せんぱい。捨て猫ですね」
「そうらしいな。かわいそうに」
自分の言葉が棒読みになってないか心配だ。こういうのは志士坂が得意なのだが。
「まだ赤ちゃん子猫ですよ。どうしましょう?」
「うちはネコ飼えないからな。おまえのとこはどうなんだ?」
「うちは一軒家ですし、飼えないことないですけど……」
「かわいそうと思うなら、飼ってやればいいじゃないか」
俺は言葉巧みに誘導する。
「あたし、ネコとか飼ったことないからどうすればいいかわからないです」
「とりあえず、保護してやってくれ。俺の知り合いにネコ飼っている奴がいるから、そいつから餌とか飼うのに必要な物を借りてきてやるよ」
黒金が猫嫌いであれば、「その人に飼ってもらえばいいじゃないですか?」と言ってくるであろう。でも、彼女は捨てられた子猫に自分を重ねて情が移り始めている。
「あ、はい。お願いします」
「家、すぐそこだろ? 俺は知り合いのとこ行ってくるよ。また後でな」
「ええ、ありがとうございます。では」
彼女はおっかなびっくりにその子猫を抱き上げる。
そして俺は彼女から離れ、すぐ近くにいるであろう志士坂の元へと向かった。
「よう、お疲れさん!」
「もう! 他の人に拾われないかハラハラしたんだから」
「悪い悪い。この埋め合わせはいつかする」
「いいよ。土路くんには借りしかないんだから」
志士坂は俯いてしまう。まだイジメのこと気にしているのか。
「それよりも例のモノ持ってきた?」
「うん。環境が変わると不安になるだろうからケージとベッドも持ってきた。食器とかはケージの中に入ってるよ」
志士坂から猫用のケージ一式を渡される。
「それと子猫用のミルクとフード。生後7週間くらいだから、あと1ヶ月くらいはミルクあげて欲しいの。その後はやわらかいフードでも大丈夫だから」
追加でミルクとキャットフードを渡された。
「わかった。ありがとう。あとで、あの子紹介するからネコの飼い方をきちんと教えてやってくれ」
「うん、それはこっちからお願いしたいくらいだよ」
「悪いな。おまえのネコなのに」
「いいよ。どっちにしろ里親を探さなきゃならなかったもん」
「じゃあな。また明日」
「うん、また明日」
俺は黒金の家へと向かう。
そう、この作戦には志士坂の協力があったのだ。
彼女のマンションはペット可とはいえ、頭数制限がある。そこに自分の飼っている猫の出産があり、数がオーバーしてしまうということだった。
里親を探していたので、すぐに今回の作戦に組み込む。
愛情を知らない黒金が、子猫を育てることでその心に変化をもたらすことに期待したのだ。
精神の安定と生きる目的を見つけさせること。それに特化した作戦。今回のミッションはこれにて終了である。
作戦前にラプラスは言っていた。
『黒金涼々とのデートと、子猫を拾わせる作戦。どちらかひとつかけても、危険は回避できないわ。こういうのなんて言うんだっけ』
「シナジー効果か?」
『そう、それよ』
「子猫作戦だけなら楽だったのにな。今後も含めて」
『それって、あなたに黒金涼々が本気で惚れるってこと?』
「うぬぼれが強いかもしれないけどそういうことだ」
『あたしがわかるのは演算結果だけ。前にも言ったけど、人の心の中なんてわからないわ』
「そうだったな」
ラプラスの演算では、今回の作戦の完了をもって彼女の死亡フラグは消える。
彼女が俺に惚れたかどうかはわからない。猫から何を学ぶかもわからない。でも、結果論で言うならば危険を回避できたのだ。
万々歳ではないか。
まあ、もともと周りを振り回していた猫みたいな小悪魔少女が、小悪魔のような猫を飼って散々振り回されるというのも、いいオチではあるだろう。
**
「失礼します。文芸部に入部したいんですけど!」
文芸部の扉を開けて黒金が入ってくる。俺は頭を抱えた。この展開はラプラスからは聞いていない。
危険が回避できたのだから告げる必要がないってのはわかるけど……。
「あら、かわいらしい子ね。お名前は?」
扉の近くにいた厚木さんが真っ先に反応する。
「1年3組の黒金涼々です」
「文芸部はあなたを歓迎するわ。いいよね。土路クン」
「……」
俺の不満げな顔に、黒金がとととっと近寄ってきてこう告げる。
「せんぱぁい。他人行儀じゃないですか?」
「あれ? 土路クン知り合いなの?」
「……」
俺は黒金から目を逸らす。
「はい。いちおう。ねぇー、せんぱぁい」
「土路君ってやっぱ危険人物ね。また女の子を引っ張り込んで。ハーレムを作る気満々じゃない」
高酉がジト目で俺を責める。
「違うって、俺、別にこいつ誘ってないし」
「そうですけどぉ、デートには誘われましたよ」
いかん、厚木さんの前でそれは言っちゃいけない台詞。だめだ、こいつ、なんとかしないと!
「でも、わたし。この子気に入っちゃった。お人形さんみたいで可愛いじゃん」
俺の心配もよそに、厚木さんが黒金を後ろから抱き寄せてその頭にほおずりする。
さすがの黒金も呆気にとられて言葉が出ずに口をパクパクさせていた。
というか、俺、厚木さんの恋愛対象からは完全に外れているんだったな。
「まりさぁ」
高酉が嫉妬するように厚木さんの肘を引っ張る。
「ごめん、ありすぅ。一番かわいいのはあんただよ」
やっぱ一番の元凶はこいつだよな。高酉亞理壽。
人一倍独占欲が強い癖に厚木さんの性的マイノリティーを理解しようとしないんだから。
近いうちにこいつもなんとかしないと。あんまりムカツクから洗脳でもしてやろうか。
「あははは。なんだか、賑やかになりそうね」
志士坂が棒読みのような言葉をこぼす。笑い顔も引きつってるじゃないか。それ本心じゃないだろ。
「志士坂。悪いけど黒金に猫の飼い方教えてやってくれ」
「あ、うん。そうだったね」
「ちょっとクセのある子だけど、悪い子じゃないと思う」
「わかったけど、あたし、どう接すればいいと思う?」
「たかが後輩だろ。そんなに緊張しなくても」
「けど、あたし、部活やってなかったからさ。後輩とどう接すればいいとかわからないし」
あー、もう! めんどくせーなこいつも。
「よし、黒金と接するときは小悪魔お姉さまキャラとして行け」
「それ、どんなキャラなのかな? ぜんぜん想像つかないんだけど」
「適当に言っただけだから」
「あははは。あたし、どうすればいいのかな?」
志士坂から始まった文芸部は、急速にその部員を増やし始める。
だがそれは、波乱の始まりであり、厚木球沙を救うための大切な出会いでもあった。
これは、ハッピーエンドルートを掴むための序章に過ぎない。
そして、黒金の件は、完全に終わったわけではなかった。
◆次回予告
もう一波乱あったところで主人公は余裕です。
なにしろ最強の悪魔 と最強の思考があるのですから。
第31話「まだ事件は終わっていないのです」にご期待下さい!
だけど、俺はあえてその選択はとらない。
「おまえを受け入れることはできないよ。俺が好きなのは厚木さんだ。それが人を好きになるってことだからな」
俺の答えに黒金は肩を落とす。笑いたくても笑えないような微妙な顔をこちらへと向けた。
「あーあ、なんかあたし、せんぱいにフラれたみたいじゃないですか。ちゃんと告白もしてないのに。……でも、きっと、せんぱいをフろうと思ってた罰が当たったんですね」
かわいそうだとは思うけど、こればかりは情で流されるわけにはいかない。
「悪いな」
「いいです。せんぱいには感謝してるんですよ。あたし、昨日はかなりヤケになってましたからね。どんな誘いでもホイホイついていって、きっと酷いことになっていたと思います」
昨日は、本来ならば厚木一郎と出会っていたXデーだからな。
彼はたぶん優しい人間で、彼女を放っておけなかったんだろう。彼と会っている間だけはきっと、こいつも一時的な幸せを掴んでいたのかもしれない。
「あんまし無理すんなよ」
「わかってます。今はせんぱいのおかげでだいぶ落ち着いていますよ」
「それならいいんだけどさ」
「せんぱぁい。今日はなんだか、すっごく楽しかったですぅ」
ニコッと笑って耳にかかっている髪をかき上げるという、いつもの小悪魔的なあざとい仕草。そういう演技ができる余裕もできたか。
「そうか、それは良かった。どうする? 家に戻るか? あと一日くらいなら泊まってもいいぞ」
「いえ、大丈夫です。せんぱいのおかげで元気でましたから帰ります」
「無理するなよ」
「あたし、親に期待しすぎてたと思うんです。もしかしたら両親が仲直りしてくれるかもしれないなんて……けどそれも諦めます。たぶん、あたしが卒業するまでは離婚とかないでしょうし」
まだ完全ではない。彼女が家に帰っても再び居場所がないと嘆くだろう。だからこそ、俺はもうひとつの計略を用意した。
計略といったのは、黒金が強制的に居場所を作るためのものだからだ。言葉なんかではあいつの心は癒やせない。だからこその強攻策をとる。
「とりあえず家まで送っていくよ」
そこからは無言だった。時々、ちらちらとこちらの顔を見上げて何か話かけたそうにしていたが、結局は何も話さなかった。
彼女の家まであと数十メートルというところで、道端の電柱の影に捨てられていた段ボールが見える。
その中から聞こえる鳴き声に黒金が反応した。
「あれ? ネコ?」
彼女が駆け出してその段ボール箱に駆け寄る。
「どうした?」
「せんぱい。捨て猫ですね」
「そうらしいな。かわいそうに」
自分の言葉が棒読みになってないか心配だ。こういうのは志士坂が得意なのだが。
「まだ赤ちゃん子猫ですよ。どうしましょう?」
「うちはネコ飼えないからな。おまえのとこはどうなんだ?」
「うちは一軒家ですし、飼えないことないですけど……」
「かわいそうと思うなら、飼ってやればいいじゃないか」
俺は言葉巧みに誘導する。
「あたし、ネコとか飼ったことないからどうすればいいかわからないです」
「とりあえず、保護してやってくれ。俺の知り合いにネコ飼っている奴がいるから、そいつから餌とか飼うのに必要な物を借りてきてやるよ」
黒金が猫嫌いであれば、「その人に飼ってもらえばいいじゃないですか?」と言ってくるであろう。でも、彼女は捨てられた子猫に自分を重ねて情が移り始めている。
「あ、はい。お願いします」
「家、すぐそこだろ? 俺は知り合いのとこ行ってくるよ。また後でな」
「ええ、ありがとうございます。では」
彼女はおっかなびっくりにその子猫を抱き上げる。
そして俺は彼女から離れ、すぐ近くにいるであろう志士坂の元へと向かった。
「よう、お疲れさん!」
「もう! 他の人に拾われないかハラハラしたんだから」
「悪い悪い。この埋め合わせはいつかする」
「いいよ。土路くんには借りしかないんだから」
志士坂は俯いてしまう。まだイジメのこと気にしているのか。
「それよりも例のモノ持ってきた?」
「うん。環境が変わると不安になるだろうからケージとベッドも持ってきた。食器とかはケージの中に入ってるよ」
志士坂から猫用のケージ一式を渡される。
「それと子猫用のミルクとフード。生後7週間くらいだから、あと1ヶ月くらいはミルクあげて欲しいの。その後はやわらかいフードでも大丈夫だから」
追加でミルクとキャットフードを渡された。
「わかった。ありがとう。あとで、あの子紹介するからネコの飼い方をきちんと教えてやってくれ」
「うん、それはこっちからお願いしたいくらいだよ」
「悪いな。おまえのネコなのに」
「いいよ。どっちにしろ里親を探さなきゃならなかったもん」
「じゃあな。また明日」
「うん、また明日」
俺は黒金の家へと向かう。
そう、この作戦には志士坂の協力があったのだ。
彼女のマンションはペット可とはいえ、頭数制限がある。そこに自分の飼っている猫の出産があり、数がオーバーしてしまうということだった。
里親を探していたので、すぐに今回の作戦に組み込む。
愛情を知らない黒金が、子猫を育てることでその心に変化をもたらすことに期待したのだ。
精神の安定と生きる目的を見つけさせること。それに特化した作戦。今回のミッションはこれにて終了である。
作戦前にラプラスは言っていた。
『黒金涼々とのデートと、子猫を拾わせる作戦。どちらかひとつかけても、危険は回避できないわ。こういうのなんて言うんだっけ』
「シナジー効果か?」
『そう、それよ』
「子猫作戦だけなら楽だったのにな。今後も含めて」
『それって、あなたに黒金涼々が本気で惚れるってこと?』
「うぬぼれが強いかもしれないけどそういうことだ」
『あたしがわかるのは演算結果だけ。前にも言ったけど、人の心の中なんてわからないわ』
「そうだったな」
ラプラスの演算では、今回の作戦の完了をもって彼女の死亡フラグは消える。
彼女が俺に惚れたかどうかはわからない。猫から何を学ぶかもわからない。でも、結果論で言うならば危険を回避できたのだ。
万々歳ではないか。
まあ、もともと周りを振り回していた猫みたいな小悪魔少女が、小悪魔のような猫を飼って散々振り回されるというのも、いいオチではあるだろう。
**
「失礼します。文芸部に入部したいんですけど!」
文芸部の扉を開けて黒金が入ってくる。俺は頭を抱えた。この展開はラプラスからは聞いていない。
危険が回避できたのだから告げる必要がないってのはわかるけど……。
「あら、かわいらしい子ね。お名前は?」
扉の近くにいた厚木さんが真っ先に反応する。
「1年3組の黒金涼々です」
「文芸部はあなたを歓迎するわ。いいよね。土路クン」
「……」
俺の不満げな顔に、黒金がとととっと近寄ってきてこう告げる。
「せんぱぁい。他人行儀じゃないですか?」
「あれ? 土路クン知り合いなの?」
「……」
俺は黒金から目を逸らす。
「はい。いちおう。ねぇー、せんぱぁい」
「土路君ってやっぱ危険人物ね。また女の子を引っ張り込んで。ハーレムを作る気満々じゃない」
高酉がジト目で俺を責める。
「違うって、俺、別にこいつ誘ってないし」
「そうですけどぉ、デートには誘われましたよ」
いかん、厚木さんの前でそれは言っちゃいけない台詞。だめだ、こいつ、なんとかしないと!
「でも、わたし。この子気に入っちゃった。お人形さんみたいで可愛いじゃん」
俺の心配もよそに、厚木さんが黒金を後ろから抱き寄せてその頭にほおずりする。
さすがの黒金も呆気にとられて言葉が出ずに口をパクパクさせていた。
というか、俺、厚木さんの恋愛対象からは完全に外れているんだったな。
「まりさぁ」
高酉が嫉妬するように厚木さんの肘を引っ張る。
「ごめん、ありすぅ。一番かわいいのはあんただよ」
やっぱ一番の元凶はこいつだよな。高酉亞理壽。
人一倍独占欲が強い癖に厚木さんの性的マイノリティーを理解しようとしないんだから。
近いうちにこいつもなんとかしないと。あんまりムカツクから洗脳でもしてやろうか。
「あははは。なんだか、賑やかになりそうね」
志士坂が棒読みのような言葉をこぼす。笑い顔も引きつってるじゃないか。それ本心じゃないだろ。
「志士坂。悪いけど黒金に猫の飼い方教えてやってくれ」
「あ、うん。そうだったね」
「ちょっとクセのある子だけど、悪い子じゃないと思う」
「わかったけど、あたし、どう接すればいいと思う?」
「たかが後輩だろ。そんなに緊張しなくても」
「けど、あたし、部活やってなかったからさ。後輩とどう接すればいいとかわからないし」
あー、もう! めんどくせーなこいつも。
「よし、黒金と接するときは小悪魔お姉さまキャラとして行け」
「それ、どんなキャラなのかな? ぜんぜん想像つかないんだけど」
「適当に言っただけだから」
「あははは。あたし、どうすればいいのかな?」
志士坂から始まった文芸部は、急速にその部員を増やし始める。
だがそれは、波乱の始まりであり、厚木球沙を救うための大切な出会いでもあった。
これは、ハッピーエンドルートを掴むための序章に過ぎない。
そして、黒金の件は、完全に終わったわけではなかった。
◆次回予告
もう一波乱あったところで主人公は余裕です。
なにしろ最強の
第31話「まだ事件は終わっていないのです」にご期待下さい!