第66悔 シン・マイノ・リッティ・リポート:美しき友情

文字数 479文字


 最後にひとつ、微笑ましいエピソードも“発掘”出来たので、そちらを紹介してこの『マイノ・リッティ・リポート』の締めくくりとしたい。

 『集団妊娠』した妊婦の中には、ギッザゾズ・ガザザナのほぼ真後ろに座っていた初老の書記ノギナギータ・ソワルツもいた。

 彼女は子供を持つことを諦めざるを得ない人生を送って老いてしまったため、妊娠したと判った時は「父親は誰か?」よりも喜びの方が大きかったという。

 「神による授かり物」と理解し産むことを決意したノギナギータは、出産後に意外な人物を子供の共同養育人に指名した。 

 後悔三銃士において“艶男(あでなん)”と呼ばれていたロニー・エスクワイアである。

 どうやら皇国後悔会議の最中(さなか)――特に、『後世の歴史家が議事録から(うかが)い知ることの出来ない十五分間』と呼ばれる暗黒部分――にノギナギータとの友情を築いたらしいロニーは、彼女の死後にその子を養子にし、一流の女形角笛奏者に育てたという。

 ……女形角笛奏者(おんながたつのぶえそうしゃ)

 
 文:“発掘人(はっくつにん)” マイノ・リッティ



 第66悔 『シン・マイノ・リッティ・リポート:美しき友情』 

 おわり。:*+゜゜+*:.。.*:+☆

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登場人物紹介

フェルディナンド・ボボン


この物語の主人公。

これといった定職には就いていないが、近所では昔から情熱的な男として知られている。

その実体は……。


ノニー・ボニー


皇立ルーム図書館で働く司書で、フェルディナンドの幼なじみ。 

他薦により『ミス・七つの海を知る女』コンテストに出場し優勝。
見聞を広めるための海外留学の旅に出る。

その実体は……。


クリストフ・コンバス

フェルディナンドの竹馬の友。
皇国を代表するファッション・リーダーとして活躍中。

その実体は……。


24歳、185cm。 

エンリケ後悔皇子


リゴッド皇国の第二皇子。

人類の行く末を案じて、後悔することを奨励する。

16歳。13センチ。

トスカネリ・ドゥカートゥス


エンリケの家庭教師であり、「盲目の賢人」、「後悔卿」の異名を持つ後悔研究所所長。

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