6
文字数 1,266文字
マァ君は今、捕らえられていた。
手足を椅子に縛り付けられ、身動きの取れない状態で、上級生の女子に囲まれている…。
「こいつ、一年の古沢 だよね。」
「最近連 の周り嗅ぎまわってるヤツだよね。」
「てかコイツ律 君に連 の画像や動画撮らせてたらしいじゃん。」
女子生徒3人に罵 られつつ詰め寄られているが、それについては全て正解であった。
マァ君、有名人!
そして三人から数歩離れた場所に江草 先輩が立っている。
そう、マァ君体育館でタンバラー共に捕まってしまった…。
「お前、ただで済むと思うなよ。」
上級生の女子生徒の一人が一歩詰め寄り顔をマァ君に近づけた。
この人は知っている。吹奏楽部部長だ。そして部長はマァ君の頭を髪の毛ごと掴んだ!
「うわ!こっち方面は未開拓です!」
マァ君は思わず本音を叫んでしまう。その反応で部長は一瞬ギョッとしたがその表情を隠し、空いた方の手でマァ君の顔を思いっきり叩いた。
「ちょ!?ツカサさん、暴力はマズイです。」
江草 先輩が部長に歩み寄り止めてくれた。
――てか江草 先輩優しい!好き!素敵!
でも大丈夫です。マァ君自身も今知ったんですけど、こういうの嫌いじゃないみたいです!
「駄目だよ連 、コイツは同期を止めたんだ、絶対許しちゃいけない。」
――…同期?ドウキ…同期とはなんだ…
マァ君は初めて聞く言葉に集中し思考した、が中断せざるを得なかった。マァ君の身体が椅子ごと転がされたのだった。
「あ゙あ゙あ゙…夜明け前ぇぇ…」
再度マァ君の口から自分でも驚く程訳わからない本音が零れた。マァ君を蹴飛ばした女子生徒のスカートが翻 り太腿が露わとなるのを網膜に納めた。
それからも三人は執拗にマァ君を踏みつけたり蹴飛ばしたりした。
「…や、止めてください…本当に…あ、新しい、新しいトビラが…ひら…開いちゃう…から…。」
息も絶え絶えにマァ君は上級生に訴えた。だが、止む気配はない。
「皆さん、や…やり過ぎです。もう止めて下さい!」
ついに江草 先輩が上級生三人の間に入った。
しかし、三人の暴力は続く…。
「ツカサさんも…ひあのさんも…ちとせさんも…止めて下さい。」
江草 先輩が力づくで三人をひとりひとり剥がしてくれた。
「こいつ私達の同期を止めたんだよ?」
――だから同期ってなんだ?
朦朧 とする意識の中でマァ君は何とか考えた。文脈から察するに、タンバラー共が踊っているのを邪魔したことを言っているのだろうか…
でも…だとしたらおかしくないか?
今まさに繰り広げられているこの仕打ちは、その"同期"というのを止めたからされていることになる…
てっきり、江草 先輩の身体を触っちゃったから、だと思っていた。いや本来そっちであるべきなのだが、終わりの見えない暴力を止めてくれたのが江草 先輩本人だし、どうにも話が見えない。
マァ君がそんなこと考えていると、ひあのと呼ばれた上級生が足を伸ばしマァ君の頭を踏みつけてきた!
が、踏みつける寸前…、
「もう、その辺にしてあげなさい…」
男の声がした。
「玉木 先生!」
江草 先輩と上級生三人が振り返る。
部室入口に、いつの間にかその男はいた。
手足を椅子に縛り付けられ、身動きの取れない状態で、上級生の女子に囲まれている…。
「こいつ、一年の
「最近
「てかコイツ
女子生徒3人に
マァ君、有名人!
そして三人から数歩離れた場所に
そう、マァ君体育館でタンバラー共に捕まってしまった…。
「お前、ただで済むと思うなよ。」
上級生の女子生徒の一人が一歩詰め寄り顔をマァ君に近づけた。
この人は知っている。吹奏楽部部長だ。そして部長はマァ君の頭を髪の毛ごと掴んだ!
「うわ!こっち方面は未開拓です!」
マァ君は思わず本音を叫んでしまう。その反応で部長は一瞬ギョッとしたがその表情を隠し、空いた方の手でマァ君の顔を思いっきり叩いた。
「ちょ!?ツカサさん、暴力はマズイです。」
――てか
でも大丈夫です。マァ君自身も今知ったんですけど、こういうの嫌いじゃないみたいです!
「駄目だよ
――…同期?ドウキ…同期とはなんだ…
マァ君は初めて聞く言葉に集中し思考した、が中断せざるを得なかった。マァ君の身体が椅子ごと転がされたのだった。
「あ゙あ゙あ゙…夜明け前ぇぇ…」
再度マァ君の口から自分でも驚く程訳わからない本音が零れた。マァ君を蹴飛ばした女子生徒のスカートが
それからも三人は執拗にマァ君を踏みつけたり蹴飛ばしたりした。
「…や、止めてください…本当に…あ、新しい、新しいトビラが…ひら…開いちゃう…から…。」
息も絶え絶えにマァ君は上級生に訴えた。だが、止む気配はない。
「皆さん、や…やり過ぎです。もう止めて下さい!」
ついに
しかし、三人の暴力は続く…。
「ツカサさんも…ひあのさんも…ちとせさんも…止めて下さい。」
「こいつ私達の同期を止めたんだよ?」
――だから同期ってなんだ?
でも…だとしたらおかしくないか?
今まさに繰り広げられているこの仕打ちは、その"同期"というのを止めたからされていることになる…
てっきり、
マァ君がそんなこと考えていると、ひあのと呼ばれた上級生が足を伸ばしマァ君の頭を踏みつけてきた!
が、踏みつける寸前…、
「もう、その辺にしてあげなさい…」
男の声がした。
「
部室入口に、いつの間にかその男はいた。