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文字数 1,122文字
…というような背景描写をサッちゃんなんかの視点で語られるのはいささか不自然である、といま気付いたがまあいい。
だってサッちゃん今全然
ファミレスでナンパされてから数日後の土曜日。
県立
すぐ脇のテントでパンフレットを受け取り順路に進んだ。
開催式は午前中の内に
絶対にオープニングセレモニーまでに来てほしい、と彼、
こう見えてサッちゃんは時間はきちんと守る女だ。それが人生初デートとなれば火を見るより
校舎入り口の大玄関を右に見ると反対側に自転車置き場があった。
そこに彼はいた。
――
サッちゃんは小さく手を振って駆け寄った。
「ごめん、遅かったかな…」
早口にならないように落ち着いて。
「いいえ、丁度いいです。」
そうだ、敬語
「こんなとこに居ていいの?もう始まるでしょ?」
オープニングセレモニーは生徒が主導となって来場者全員を巻き込んだオープニングカーニバルが目玉となっている、らしい。
「あと15分くらいですかね。」
そしてサッちゃんに向き直り、にわかに真剣な表情になった。
「
その呼び方も変えさせよう。
「大事なお願いがあります。」
――?!え、何?
やばい、話に集中してなかった訳ではないんだけど完全に意表を突かれた。落ち着けサッちゃん!落ち着けサッちゃん!!
何て言った?大事な?お願い?何だろう?何かな…
え?敬語じゃなくてもいいですか、とか?
え?名前で呼んでいいですか、とか?
え?手を繋いで歩きませんか、とか?
え?腕を組んで歩きませんか、とか?
いろいろすっ飛ばして急展開したいってこと?
「何?」
頭の中は
「場所、変えてもいいですか?」