意外な闖入者
文字数 347文字
……。
異様な沈黙が、辺りを支配する。何が起こったのかよく分からないまま、僕だけが咄嗟に言い訳した。
いつの間にか床にうつ伏せに倒れていた奏野と、キーボードに突っ伏した多賀を眺めて、井田がきょとんと小首を傾げている。
そこへ、聞き覚えのある、のそっとした感じの声がかかった。
胸ぐらを掴まんばかりの勢いで跳ね起きた奏野の足を止めたのは、いつになく呆然とした多賀のつぶやきだった。
僕も言葉を失った。風間が手にしているのは、空になった井原のクリアケースだったのだ。
その答えは、窓の下から聞こえてきた。