窓のそばでのラッキースケベ
文字数 547文字
そう言うのがやっとだった。力任せに腕を振りほどいたせいだ。
それで何とか解放されたわけだけど、僕の手は自由にならなかった。勢い余って、何か大きくて柔らかくて温かいものを掴んでいたのだ。
親切で言ってるんじゃない。体のいい脅しだ。
それはわかっていたけど、やったことがコトだけに、反論の権利はない。
僕が冒そうとしている危険のことを言っているのか、自分の恥ずかしさを言っているのか。
どっちにしろ、非難の矛先を向けられても多賀は動じなかった。奏野の頭越しに、僕を脅しつける。
僕の完敗だったが、ここで多賀に下げる頭はない。
とりあえず奏野には謝ったけど、こっちはこっちでリアクションがなかった。