僕が抱えたバレバレの秘密
文字数 687文字
奏野が全責任を引き受けて当たり前なのに、多賀はともかく僕や井原までが巻き込まれるのはごめんだった。
風間は……どうだっていい。
相変わらず冷めた指摘で、言葉に詰まる。
井原のレポートは、偽造がバレてもアウト。提出されなければ、もちろんアウトだ。
でも、今の問題はそこじゃない。何とか言葉を絞り出して、ごまかす。
身体がカッと熱くなった。
知らなかった……何で? そんな分かりやすかった?
多賀まで……。
逃げ道はもう、なかった。
負け惜しみだけ言い残して、奏野は自習室を出ていった。
少なくとも、イヤだとは言えなかった。とばっちりもいいところだ。