クラスの裏ボスが抱えた悩み
文字数 562文字
奏野が立ち上がって、自習室を出ていこうとする。風間への電話は時間の無駄だと思いはしたが、今のところ、他に方法はない。
だが、多賀がそれを短い一言で止めた。
校舎内での携帯端末使用は禁止、違反者は媒体を翌朝まで没収されるというのがこの高校のルールだ。ただし、罰の重さはカンニングや提出物の偽造などの比ではないが。
そこを計算に入れたのかどうか分からないが、奏野はその場でスマホを耳に当てた。
多賀はキーを叩きながら、即座に3つの推論を立てた。
確かに、僕のキャラじゃない。内心まで見透かされているような気がして、それ以上は何も言えなかった。
代わりに、多賀がその場を取り繕ってくれた。