彼らが抱える同士討ちの危機
文字数 298文字
諦めなかった、って言えよ！
多賀は気にするふうもない。たったかキーを叩き続ける。
そんな大事なもの、よく預けたな……こんなヤバい橋、渡らすような性分じゃないだろ。
井原には言ってない。レポート代返するなんて。気にするから。
そういう言い方もあるか……。確かに、元は井原の原稿だ。
それで納得させるなんて、どういう押し方したんだか……偽造の責任は取らなくちゃな。
常識で考えれば、「人に書かせる」のはフェアじゃない。禁止されて当然だ。「偽造」と言われても仕方がない。でも。
取るよきっちり締め切り前に完成させてやるよ情報処理部の部長なめんな！
奏野のタイピングが加速して、険悪な雰囲気に拍車がかかった。
