遅れてきた冬
文字数 331文字
嫌なヤツに借りを作ってしまった。しかも、弁解の余地はない。
だが、その返済期限はそれほど迫ってはいないようだった。
奏野がぴったり寄り添ってきたのだ。恥ずかしさとやましさに逃げ出した僕の耳には、微かな囁きだけが残された。
僕の冬は、さっき終わったはずだった。
それなのに、灯の消えた廊下を駆ける僕の心臓は、なぜか高鳴っていた。
文字数 331文字
嫌なヤツに借りを作ってしまった。しかも、弁解の余地はない。
だが、その返済期限はそれほど迫ってはいないようだった。
奏野がぴったり寄り添ってきたのだ。恥ずかしさとやましさに逃げ出した僕の耳には、微かな囁きだけが残された。
僕の冬は、さっき終わったはずだった。
それなのに、灯の消えた廊下を駆ける僕の心臓は、なぜか高鳴っていた。
井原佐紀(いはら さき)
小柄で、実験中でも時々いるのかいないのか分からなくなるくらい物静かな高校2年の女の子。几帳面な化学部部長。頭は切れるがそれを表には出さず、困っている人を人知れずフォローするのに生かす、心優しく奥ゆかしい少女。
新島真由(にいしま まゆ)
スタイル抜群で顔も可愛い高校2年生女子。性格のねじ曲がった女子グループのボス。自分以上に可愛く、男子にモテる女子をいびるためなら、肉体的・精神的にどれほどの労力も厭わないサディスト。