第40話 旅路⑤

文字数 7,483文字

 ティムールは、ヨウ達を呼んだ。
「まだ、紹介状はできないのだが…。君達と話というか、会いたいという者達がいてな…。」
 いかにも困ったという顔で、苦笑していた、玉座から言った。
「かの者達なのだ。」
 彼が手で指し示した方向に、ゴセイが目を向けると、そこには、金髪の様々な体格の男女の一団がいた。“16人か。”チラっとマリアを見ると、自信有り気に頷いた。続いて、リリスに視線を向けると、やはり頷いた。彼女の目は、“お前が加われば、大丈夫だ。”と言っていた。メドゥーサはというと、我関せず、心配してないよ、との顔だった。
「かの者達が、君達の武勇を伝え聞いて、試合をしたいと請願してきてな。もし、自分達が勝った、あるいは君達が試合を拒否した場合、君達の願いを断るように、求めておるのだ。やはり、こういう場合、勝者の願いを聞かざるを得ないのだ。」
 彼は、やはり困ったという顔を見せていた。“そうきたか。”
「分かりました。試合とやらに、応じましょう。」
“ティムールのおっちゃんめ。天秤にかけているか、それとも、両方潰したい、力を削りたいのか?それとも、あいつらを潰してもらいたい、ということか?”判断がつきかねたが、
「試合とは、どのように?」
「それはな。」
とティムールは、人造神の方に視線を移した。彼らが頷くのを見て、ヨウの方に視線を戻した。
「神族の賢者達殿は、ここで、とのことなのだ。」
「ここでは、狭くありませんか?」
 魔法攻撃は、かなり強力なものを互いにみまうだろうから、この王の広間といえども、狭すぎる、最終的に王宮を崩壊させてしまうかもしれない。
「結界を作るとのことだ。その中で、試合をする。その中での戦いの影響は、こちらには届かない。また、こちらからは、見えるが介入できない…そうだ。」
「分かりました。では、何時ですか?」
「今すぐだ、そうだ。悪いが、すぐに、戦う者を選択してもらいたいが、どうかね?」
「私とこのマリアが。二人でお相手しましょう。」
 神族の賢者を名乗る一団も、ざわめいた。ヨウの一行は、20人少しだった。だから、16人で来たのだろう。
「よいのか?」
「はい。」
「それならよい。それでは始めるとよい。このティムールが、見届けよう!」
 玉座から立ち上がると、彼は威厳のある、そして大きな、通る声で宣言した。
 その声とともに、空間が一瞬歪み、それはすぐに戻ると、広間などとは問題にならないどころか、どこまでも荒涼とした大地だけが続く、とんでもなく広い何もない空間の中にマリアとゴセイはいた。玉座に座るティムール以下彼の臣下達、リリス達がガラスの向こう側のような所にいるように見えた。
「我々の聖なる空間にようこそ。ここは、外界からの干渉を受けない場所だ。それにしても、2人でだけとは…自信過剰にもほどがあるぞ。何か策を巡らしているかもしれないが、無駄なことだ。最早、お前の部下達は、助けにこられないぞ!」
 リーダー格の、と思われる、ひときわ大柄で、大剣を構えた金髪の男が怒鳴った。
“リリス。聞こえるか?”“ああ、よく聞こえるぞ。我には、そちらのやり取りが、よく聞こえておる。干渉が、出来ない?我には、関係はないぞ。心配はいらぬ。しかし、こいつらめ、我をすっかり見くびりおって。”“僕もダヨーン。こんなのは、何でもないよ。”
「大した問題では、ありませんわ。」
というマリアにゴセイは、苦笑いを浮かべた。
「さて、どうなるのだ?勝敗は、どうやって決めるのだ?」
 相手に向かって声をかけた。
 大柄な髭面の、リーダー格と思われる男が、一歩前に出た。
「簡単なことだ。どちらか一方が、全て命を失えば、この結界内から出られる。それ以外に出る、元の世界にかえる術はない。2人だけとは言っても、容赦はせぬ、全力で行かせてもらう。兎をも全力で仕留めるのが、我々の主義だからな。」
と宣言するように言った。
「まあ、目的を…聞き出すことは必要ないな…1人だけ生かしておいて、そいつから搾り取ればいい。」
と1人ごとのように言った。
「では、もう始めましょう?まとめて、相手になりますわよ。」
とマリアは、相手の言葉を待たずに飛び出した。ゴセイが続き、相手側はそれに少し遅れた。 
 彼らの動きは、連携が取れていた。マリアの相手となる組とヨウを向い撃つグループに、さっと別れたが、それぞれその中で、己が得意の技、力、能力が互いを補完するようになっていた。
 だが、マリアの槍に、彼女の攻撃が始まって、早くも一人が傷ついた。傷ついたが、まだ戦える状態のその金髪の女も含めて、8人がマリアを囲んだ。ゴセイの周囲には10人が、取り囲んでいた。“あれ?2人増えているな?初めから、この空間にいたのか?姑息な真似をする連中だ。しかし、なんで私の方が多い?”自分の実力をマリアよりも高く評価したのか、少しでも速くて倒して、マリアに全力で当たろうと考えたのか?とゴセイは、彼らの攻撃を受け流しながら考えた。“まあ、後者だろうな。”
 いつの間にか、彼らの背中には、羽が現れていた。“いわゆる天使の姿だな。”彼らの剣、槍、大鎌、大剣、弓の腕前はかなりのものだった。さらに、火球、火炎放射、雷球、雷、氷結などの魔法攻撃も今までに受けたものを、はるかに上回っていた。それでも、ヨウは、正面の、魔法攻撃を主な役となっているらしい、かなり小柄な女に斬り込んだ。彼女が放つ凄まじい雷と包まれる業火で、ヨウが苦痛の声を上げると、大剣をもった男が斬り込んできた。それを受け流しながら、その魔法攻撃を弾き返して、相手にその一部をぶつけた、それに怯んだところを一閃、実は、彼の超長剣は3閃し、突きが出ていた。血を噴き出した、その男が倒れると、体が拘束されたように動かなくなり、投げ槍と矢が、たっぷりと強力な魔法が込められた、それらは彼の体に深々と突き刺さった。その彼に、特大の火球が落ちてきた。一瞬でほとんど炭になった彼の体を、斬馬刀がたたき割った。
「お前は、もう一人だ!」
と高らかに、マリアに向って、一人が宣言した。彼らの目には、少し気にしている、少し不安を感じるマリアの顔が、絶望を何とか隠しているように思われた。
「今なら、お前を我ら神の仲間としてやってもよいのだぞ?」
 既に、2人が彼女の槍に突き刺され、息絶えていた。
「彼の仇を討つのよ!」
「彼女を殺した代償を、払わせる!」
と叫ぶ声を聞きながら、
「虫けら共が煩いわね。」
とマリアは、あざ笑った。その彼女に、言葉を投げかけようとした時、
「ぎゃー!」
という叫び声が上がった。
 女の一人が血だらけでのけぞった。彼女の羽が切り裂かれて、その痕跡が残っているだけだった。彼女は、それでも倒れず、振り返り、自分の羽を切り落とした相手を睨みつけ、戦いの構えを取った。そして、驚愕した。
「お、お前は・・・。」
「どうして・・・、存在そのものを消滅させたはずなのに・・・。」
「どうして・・・。」
 声が幾人からもあがった。  
「マリア。さすがに、もう二人殺ったか。私は、二人に手傷を負わせただけなのに、私は、一度殺された上なのに・・・。」
と彼らの叫びに応えずに、マリアに語りかけた。"余裕があるようだな。"死体の切り刻み方や様子を見て安心した。"もう、傷の回復が始まっているな。"自分が傷つけた相手を見て思った。"もう少し、こいつらを引き付けておいた方がいいかな?どちらが、脅威と感じるかだが・・・。"と思案したが、彼に対峙する人数は変わらなかったので、ホットした。
「もうしばらく、待っていて下さい。全員倒して、すぐ駆けつけますから。」
「ああ頼む。」
 二人のやり取りに、見事な金髪を怒りで逆立てた、甲冑を身に着け、複雑な刃先を持った鉾を構えた女が、
「大言壮語もそこまでよ。そろそろ本気をだしてあげるわ。」
と憎々し気に、しかし、自信満々に吠えた。マリアは、小馬鹿にする調子で、
「出し惜しみしないで早く出しなさい、虫けら風情が。ところで、そこの二人は、寛大にも全力をださないで、死んでくれたのかしら?」
 次の言葉の応酬が始まる前にゴセイは飛び出した。
「転真敬会奥義。進水退水!」
 複数のプラス、マイナス、虚無の振動波を放ちながら、ゴセイは斬り込んだ。遅れたが、彼らの幾人かから、魔法攻撃が放たれた。ゴセイのそれは、彼らの魔法攻撃を受け流し、はじき返し、中和して彼らの中に躍り込んだ。その頃、マリアはというと、彼らの魔法攻撃をはじき返しながら、巧みに、その槍で叩きつけて脳天を砕き、あるいは心臓に突き刺していった、余裕をもって、一人ひとり片付けていく。無駄な動き一つなく、旋律に乗せて動いているかのようですらあった。彼らの剣、鉾、鉞、拳、蹴りを優雅に避けながら、正確に一人づつ葬っていく。
 ゴセイは、防戦一方で押しまくられていた。彼らの攻撃を、全て受け流した時できた一瞬の間に、
「転真敬会奥義。大進火!」
高熱線で、彼らは一瞬、防御にまわらざるを得なかった。同時に、“小進水”、範囲を集中して放った、光の衝撃波にひるんだ一人に、向かって突進し、連携の隙をついて、崩れかかった防御結界を切り裂いて、剣を刺し貫いた、
「小進火。」
 剣に纏わせた魔法が発動した。突き刺した剣で、内部で炎が巻き起こされ、内部を焼き付かされた褐色肌の戦士は、絶命した。
「こちらはようやく一人目だな。」
「こ、このー!よくも彼を!」
と金切り声で、見事な金髪を比較的短く刈り込んだ女が突進してきた。彼女の剣を受け止めが、次々に加勢が加わり、再び防戦一方に、そして、聖槍が幾本も飛んできて、聖矢も何十本も向かってきた。全てをよけ切れず、
「痛いな…。」
 何本も体に突き刺さり、血が流れた。それでも、聖剣、聖矛を受け止め、受け流していたが、パリンと、ついに耐えきれず、彼の超長剣は砕けきった。
「食らえ!とどめだ!」
 ショートカットカットの金髪の女の剣がすかさず、彼の胸を貫いた。動きを止めた彼に、聖剣、聖矛が次々突き立てられた。その力で、彼の体は燃え尽きるように崩れさった。
「どうだ?私の気持ちが分かったか?」
 ヨウにとどめを刺した女が高笑いを、狂ったような、哀しみをたたえているような、しているのを背に別の、その金髪が振り乱れている女が、憎しみを込めてマリアの方に叫んだ。マリアは、4人目の体を、肉片にしたところだったが、チラっと見て、
「ゴセイと私の愛がうらやましいのかしら?まあ、ちんけな虫でしたけど。」
と嘲るような表情を見せた。
「このお、元奴隷の売女が…。」
 完全に、残る6人に対して、攻勢一方のマリアに向かおうとした彼女は、自分の手にいつの間にか、得物がないことに気が付いた。
「この聖剣は、も~らった。」
との声が耳元でした直後、ひどい痛みを感じたのが、彼女の最後となった。
「?」
 彼らの目には、彼女の体から突きだした、彼女の聖剣の刃先と、光輝き、彼女を内部から殺した剣先が出ているのが見えた。彼女の聖剣の力も加わって、彼女の内部が破壊されていた。言葉を発することなく、その女は絶命した。
 その彼女の後ろには、体を密着させた男の姿があった。
「悪いな。お前の聖剣はもらった。大事に使う。」
 崩れ落ちた彼女の後ろには、崩れ去ったはずのヨウの姿があった。彼の片手には、彼女の聖剣があった。もう一方の手には、短い剣があった。彼は二刀流になっていた。
「2人目だな。」
 彼は小さく笑ってつぶやいた。
「もうすぐそちらにいきますから、暫く待っていてください。」
 5人目の胸に、槍を乳房ごと刺し貫て、横から切りかかった一人を光の中で消滅させていた、マリアは。残りの二人は、完全に守勢の構えをとっていた。ヨウに向かう人数はそのままだった。彼を、とにかく早く倒して、全力をマリアに注ごうという戦略を堅持していた。"正しい戦術だな。"彼は思った。逃げ腰に近い相手を早く倒そうとすれば、強引に、力任せでいくしかない。それをやれば、"マリアでも、息が少しは上がるかもしれないな。"
「こ、この化け物が。」
「即座に、分身を作ったか?だが、それも、ここまでだ。」
 再び彼らは、ヨウに躍りかかった。また、ヨウは防戦一方となったが、聖剣である長剣と短い剣の二刀流を振るう彼をなかなか仕留められなかった。時には、長剣2振りになり、時には長短2剣になり、剣の長さがその時その時で変わるように見えた。一人が乳房を切り裂かれ、一人が顔を斬られ、もう一人が腕に大きな傷を受けた。
「彼女から離れろ!」
「わ、私ごと刺し貫いて!お願いだから・・・。」
「うわー!」
 高熱の空間に聖槍が突き抜けた。ヨウが、女に組打ち、高熱を発していた。女の涙の訴えとともに、男が聖槍で女ごと彼を刺し貫いたのだ。聖槍で貫通されても、彼の放つ高熱は収まらなかった。涙する彼に、別の女が慰めるようにそっと後ろから抱きしめた。
「転真敬会奥義小進火、小進金。3人で修羅場を演じているがいい。」
 ヨウの声が響いた。
「体が動かない。」
「あ、熱い・・・。」
 その二人も、高熱の空間に入ってしまった。しばらくすると、そこには灰だけが残っていた。それを見て、マリアに全員で向かおうとした彼らの目に、二人の男女が映った。
「もう~、ブス女を抱いて~、趣味が悪いですよ。」
 10人目を、握りつぶした頭を持って引きずりながら、マリアが寄り添って。彼女が体を押し付けているのはゴセイ・ミョウ・ヨウだった。
「じゃあ、口直しをしてくれ。」
 彼女を抱きしめると、唇を重ねた。彼女も手から頭は離して、応じた。体が地面に音を立てて倒れた。
「こ、この・・化け物め。」
「我らを馬鹿におしでないよ。」
と怒り狂って、二人に迫ろうとした。
「うわー。」
と次々に倒れてしまった。
「あら、こんな魔法トラップに、こんなに簡単にかかるなんて、予想以上のお馬鹿さんばかりですね。」
「私達の熱い抱擁に興奮したのさ、そう悪く言うな。」
"いいかげんにしろよ~、糞女神。"
"珍しく魔王と意見があったぞ。"
 そんな言葉とは裏腹に、二人は即座に動き、次々にとどめをさしてまわった、二人を除いて。
「これで勝ったと思うなよ。まだ、これがある!」
金髪の大柄で、厳しいが、美男子といえる髭の生やした男が、翼を切り刻まれ、片腕、片足を切り落とされ、血を吹き出させながらも、叫んだ。
「これが我々の切り札だ!」
 大地が割れ、炎をまとった巨大な鳥が現れた。上空に飛び出すと、巨大な火炎が、ゴセイとマリアに降り注いだ。
「転真敬会奥義小退火。マリアやれるか?」
 彼から放たれる冷気が二人を包み込み、その火炎を遮った、いや、その空間で分子の運動が急速に遅くなったのだ。
「もちろんです。」
" 大丈夫だろうか? "既にかなり消耗しているはずなので、心配した。"まあ、大丈夫だろう・・・多分。""当人が大丈夫と言ってんだから~。""おまえら~。しかたない、加勢してやるか。"
 ゴセイは、地上から、上空の空間から、凍結弾を放ったり、火の鳥を瞬間的に結界に閉じ込めたりしてみたりして、マリアを援護してみた。激しくその鳥と戦っていたマリアは、ゴセイの援護を受ける度に優位にたっていった。そして、彼女渾身の光の波動がその鳥を覆った。ゴセイが周囲のいくつかを結界で包囲していたため、その鳥はまともに受けた。そして、消滅した。
「甘く見るな!・・・ん?・・・ば、馬鹿な?不死身の、再生する・・・どうして・・・。」
 狼狽える男に、
「私に対して不死身でいられるのは、ゴセイだけよ。」
 後ろから声をかけたマリアに、その男は真っ二つにされた。それでも、
「我を殺せば元の空間には・・・。」
と声を絞り出した直後、
「な、なぜ?」
 絶句して息を引き取った。そこは既に、チムールの宮殿の大広間であった。
「もう抱き合う時間はやらぬぞ、女神。」
「リリス、淫乱糞が抜けているよ!」
「やきもち焼きさん達ですね。」
 ヨウは、ティムールの前に跪いていた。チムールは、大広間に出現した死体の山に動じることなく、
「見事だった。ゴセイ・ミョウ・ヨウ殿。推薦状も用意できたところだ。」
 上機嫌な顔で笑って、推薦状の束を彼に対して、廷臣を介して渡した。同時に、死体を片付けるようにも命じていた。ヨウは謹んでという風にそれを受け取った。
「汚れたようだから、もう一泊、我が王宮に泊まり、特に我の浴場を使うのを許すので、体を洗ってゆけ。」
と命じた。これを断ることはできないとヨウは頭を下げた。
「この王都の外に、存在を不可知にした、不可知にしていると思い込んでいる数人の一行がおった。こやつらも人造神らしいな。目印をつけておいたから、いつでも、どこにいるかはわかるぞ。」
 リリスが浴槽で、ゴセイに肩を抱かれ、頭を彼の肩に預けながら、耳元で言った。反対側にマリアが同様な形でいた。
「殺るんだろう?まさか逃がすなんて言わないよな?」
 メドューサは、彼の股の間に座って背中を押し付けていた。
「推薦状を、あのおやじからもらったらな。壊滅させる、この後面倒がないようにな。その時は、お前たちにも暴れてもらう。センリュウにもだ。ああ、その他の連中にも加わってもらうか。」
 少し離れたところで、センリュウが満足そうに頷いていた。マリアは、
「しかたがないですわね。」
と文句は言わなかった。さすがに今日の相手だけで、ゴセイがいなければ、自分一人だけだったら、少し危なかったかもしれないと分かっていたからだった。それが一層不満であり、悔しかった。ゴセイが、それを察して腕の力を強めると、この時とばかり甘えるように体を擦り付けた。
 翌日、推薦状の束と旅の資金を、ティムールから受け取ったゴセイの一行は、一人増えた一行だった、ティムールの都を離れた。
「あいつらの位置はわかっているな。遠いか?」
「もちろんだ。周囲の様子も、連中のこともわかるぞ。まあ、一日で行ける。罠もわかる。」
「そうか。まあ、それでも、道々参考までに話してみろ。」
 彼の言葉で、メドューサが、彼の一行に加わらされた、昨日逃げられない、逆らえない存在になっていることに愕然となった人造神の若者を小突いて、話すように促した。




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