第34話 リバイアのしまつ3

文字数 1,693文字

 リバイアは、執拗に繰り返された、死の直前まで体を切り刻まれ、焼かれ、ぼろぼろにされる、悲鳴が出尽くす程の行為を受けたショックで、それが終わっても、呆然となっていた。
 彼女は、リリスやメドゥーサ、マリアが、彼女の衣服から自分達用を選び、試着してゴセイに見せつける姿を、力なく見ているしかなかった。彼女達の試着しているのは、ゴセイを誘惑するための扇情的な衣装だった。それを、彼は、半分以上を、彼女達に渡したのだ。
 リバイアが、何故自分はこんなことをするのかと思いながら、頭の片隅で思いながらも、子供の頃に義理の父親に売られ、それ以来、女の手練手管を覚えさせられ、次々に男達を、主に王侯貴族の男達を、破滅させてきたことを説明し始めた。
「何と、はずかしい下着だのう?」
「本当にはずかしくなってしまうね。」
「少し体に合わないのもありますね。」
 彼女らはそう言いながら、魔法でサイズを調整して身につけていた。零から創造するのは、このような下着ですらも非常に難しいが、現実に存在するものを調整するのは、容易だった、あくまでリリス達3人に取ってはであり、本来はかなり能力の高い魔道士でも難しい。まして、リリス達のように、剣を改変したり、修理するなどは簡単なもの、僅かでも滅多にできる者はいないし、魔力の消耗ですぐに動けない状態になってしまうのが常識だった。
「あのう…上手くいかないのですが?」
はセンリュウだった。
「何故、お前がそんなことをしているのだ?」
「ゴセイ!」
「まさか…許しませんよ。」
「どうした?お前にやるとは言ってないぞ?」
「いえ…すみません。リリス様達が楽しそうだったので…つい…。」
 弁解しながら身につけかけた下着を取って、元の姿になり、部屋を出るセンリュウだった。彼女が出ていったのは、リリス達が既にゴセイに体を擦りつけ始めていたからだった。
「どうじゃ?我が身につけると、一層興奮するであろう?」
「僕はどうだい~?」
「あんな女とは、比べようがないでしょう?」
 彼女らの体温と匂を感じながら、彼女らの好きに、ゴセイは任せていたが、彼に腰を手を回されて満足そうな表情を浮かべていたリリスだが、真面目な顔に戻り、
「あの女はどうするつもりなのだ、殺さなかったが、どう使うつもりだ?」
 彼は、彼女に軽く口づけしてから、続けてメドューサ、マリアにも口づけをしてから、
「クロランドの副官にした男の妻にして、彼女を支えさせる。」
「あいつの嫁にして、あの女をどう支えるんだい?」
「クロランドは、軍事一辺倒な奴だ、まあ、他のことがまったく無知というのではないが、謀略とか駆け引きとかは、戦い以外のでは、全く駄目だ。その方面で支える者が必要だ、光と影闇の両面でな。また、妻としての支えも必要だ。そこの女には、妻としての闇の支えとなってもらう。奴の妻として、彼女の妻となってもらう。」
「まあ、夫婦ともに、あの糞生意気な女騎士を支えさせようと言うのですか?」
「ああ、そうだ。無理か?」
 3人は、ため息をついてうなずいた。そして、彼に、争って抱きついた。ヨウと3人の女達との激しい営みをぼんやり見つめることしかできない、体が動かないリバイアは、それでも、彼が自分に向けて命じたということは理解できた。
「あの脳筋女の副官?ああ、あいつか?あの男は、こいつが…こいつの手先だったか…あいつの妻になり、脳筋女の妻になる?」
 自分が何をこれからやろうかと、考え始めている自分がいることに気がつき、激しく動揺したのだった。
 リリスが二度目の叫ぶような喘ぎ声を上げ動かなくなった。体を入れ替えられて、ヨウの上で幸せそうにぐったりしていた。わきでぐったりしていた、メドューサとマリアが、ヨウの両側に這い寄って、体を密着して仰向けになった。その二人の顔も幸せそうに見えた。ヨウはというと、満足そうな表情だった。彼のまわりに、自分の場所はないことが分かった。
 突然、首根っこを掴まれるのを感じた。
「マスターからの命令も自分の立場も、分かったろう。来い、これからの準備だ。」
 それは、いつの間にか、部屋に戻ってきたセンリュウだった。
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