第31話 おっかなびっくりPTA改革①

文字数 1,909文字

 さあ、春の風物詩「PTA」!
 いきなり何だと言われそうですが、最近の私の実生活、すっかりこのPTA問題に振り回されております。「親」の立場である方なら、多かれ少なかれ無縁ではいられないでしょう。
 なので数回にわたり、この話題に触れてみることにしました。

 本当に、当事者でない方には疑問でしょうね。なぜ春になると、こうも世の中PTAの話題で持ち切りになるのか。
 ネットでも「PTA」、「闇」などと検索すると、まあ出てくる出てくる、PTAの悪い噂(笑)。ちゃんとやっている人は読まない方がいいかもしれませんよ。落ち込みますから!
 でもそのぐらい、世の保護者たちを悩ませる厄介な存在なんですよね。

 悩むのも無理はありません。PTAはまだまだ専業主婦を前提にした「昭和」な組織で、保護者に対し個人の事情を無視して大きな負担を強いてきます。理不尽と感じる人も多いはず。
 主婦とワーキングマザーとで対立が生じることも少なくありません。
 だって、どうしても時間の取れる人が主力とならざるを得ず、お仕事が忙しい人はお手伝いの範疇にとどまるという現実があるわけです。それでお給料が出ないわけですから、かなりの不公平感。誰だって「私、そこまで暇じゃない」と言いたくなるものです。

 大前提として、保護者はみんな、自分の子どもが学校のお世話になっているのは同じ。
 支える、というのはみんなでやるべきこと。

 なのに、「私はできません」となる。それもまあ、致し方ないことです。本気で忙しい人、結構います。それ以上無理をさせたら、倒れてしまいます。
 じゃあ、本当にそれはやらなくてはならない仕事なの?
 立ち止まって考えた時に、PTA不要論が出てくるんですね。当然のことなのかもしれません。実際PTAの活動には無駄が多いですから。

 本当にPTAを無くしてしまった学校もあります。
 そういう学校は、(ただでさえブラックと言われる)教職員が行事の取りまとめをし、人手が足りない時に保護者のボランティアを募る方法を取っているようです。小規模の学校では、これで回る所もあるのだとか。
 またこれを根拠に、PTA廃止を訴える人も多いようです。「それみろ、PTAがなくたって、何とかなるじゃないか」という感じですかね。

 だけど多くの場合、必要に迫られてPTAが復活してしまうんですよね~。
 場合によっては「地域支援本部」などと別団体が立ち上がったりしますが、これは名前を付け替えただけで、中身は同じというケースも多いんだそうです。これだとかえって同じ人が再任されることになり、余計にたちが悪い……いや、善意の団体がほとんどなので、むやみな批判はご法度ですよ(笑)!

 で、私はといえば。
 以前、別のエッセイで書きましたが、息子の通う中学校でPTAの副会長をしております。

 ああもう、この時点で加害者扱いされそう(笑)。「働くママをいじめる極悪専業主婦」の烙印を押されそう。
 でも覚悟の上で毎日笑顔を振りまいておりますよ。知らない人に睨まれ、悪者扱いされるのを承知でなければ、役員なんてやっていられません。

 今のPTA役員には、通常の活動の他に「誤解をとく」という仕事があります。
 何しろPTAを敵視してくる人たちは、最初からものすごい見幕で突っかかってくることが多いのです(苦情を言ってくる人はまだ暇な方なのかもしれませんが)。
 まず、落ち着いて相手の怒りに耳を傾けねばなりません。そこはクレーム対応のお客様相談室のように、心静かに受け止めるわけです。

 相手は「今までのPTAがいかに理不尽であったか」、「私は以前にこんなつらい経験をした」と過去のトラウマを語ることが多いです。それも幼稚園や小学校時代、あるいは他の中学校の話だったりする。
 よその団体の話なら、うちとは関係ないよね? と言いたいところですが、その人たちにとっては「PTAなんて、どうせどこも同じ」なのでしょう。そして事実、うちの学校のPTAにも理不尽はありました。
 で、そういう団体の、副会長などに就く奴なんて「あんたも、あのいじめっ子と同じね!」と指弾すべき存在なんだなあ(笑)。その気持ちは分かるので、むしろ共感します。

 私も同じ思いを何度も経験し、「中学校ではもう勘弁してもらいたい」と思っていた口です。やっぱりPTAに対して後ろ向きでした。
 でもだからこそ、自分が中に入って改革をするなら徹底的に、とも思っていたんですよ。引きずり込まれてしまった以上、みんなが前向きに参加できるPTAを一から作り直そうと意気込んでいたんですよ。

 でも改革するって難しい。
 次回はその辺の話を書いてみます。
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