第7話 子どもが喜ぶ絵本って?

文字数 1,385文字

 読み聞かせの話ついでに、子供が喜ぶ絵本をいくつかご紹介しておきます。

 一対一の読み聞かせの時は、その子に合わせた物を選ぶべきですが、集団相手の時はみんながどっと盛り上がれる作品が好まれます。つまり「笑いが取れる」絵本です。

 私自身が感動したとまでは言いきれないのだけど(このエッセイの趣旨から外れてすみません)、子供たちにはツボのようです。誰が読んでもウケる「鉄板アイテム」とも言うべき絵本。読み聞かせ会では「つかみ」として非常によく使われます。

 私自身は芸人さんのようなパフォーマンスは苦手なのですが、これなら子供たちを沸かせることができました。やっぱり絵本自体に魅力があるんでしょう。
 というわけで、機会があったらこの絵本でぜひお試しください。
 すみません、以下の紹介はいずれもネタバレを含みます。

 ①長谷川摂子『きょだいな きょだいな』
 巨大な物が次々と登場。文章のリズムも良いです。巨大なトイレットペーパーでお尻を拭くシーンなど、子供たちはひっくり返って大爆笑してくれます。

 ②マイク・サーラー『わゴムはどのぐらいのびるかしら?』
 ありえないでしょ! と突っ込みたくなるぐらい、わゴムが伸びていきます。一体この輪ゴムはいつ切れるのか? 子供ってこういう緊張感が好きみたいですね。わーわーと悲鳴を上げて盛り上がってくれます。

 ③川端誠『うえきばちです』
 これも絶対外さない絵本。植木鉢に種を植えたら……目(芽)が出ました! 歯(葉)が出ました!……以下略。
 要するにダジャレなのですが、一ページめくるごとに教室中が大爆笑。あさがおの栽培に初めて挑戦した、小学一年生に特におすすめです。

 ④谷川俊太郎『これはのみのぴこ』
 ページをめくるごとに言葉が重なって、どんどん長い文章になっていくしくみ。早口言葉のようにしゃべらなくてはならなくなって、読む方は息も絶え絶えになりますが、子どもたちの方は盛り上がってくれます。上手に読まない方がむしろいいみたいです。

 それから、日本ではあまりメジャーではないのだけれど、私が読んだ中で一番子供たちにウケた本がこちら。

 ⑤ケス・グレイ『ちゃんとたべなさい』
 イギリスで大人気の絵本。お豆が大嫌いなデイジーと、交換条件を出して何とか食べさせようとするお母さんとのやりとりが、ページをめくるごとにエスカレートしていきます。上記の「わゴム~」もそうですが、内容がどんどん過激になっていく過程が良いらしく、子供たちはもう歓喜の雄叫び(笑)。
 好き嫌いを克服しよう、という道徳的なオチじゃないところも良いのかもしれません。


 笑いを取る、というのは本来非常に難しいことですが、私の場合は素直な子たちのクラスに行くことが多かったんでしょう。思った以上の確率でヒットしました。

 だけど読む人のキャラに左右される部分もあります。しみじみと感動する絵本、考えさせる絵本の方が似合う人もいますよね。
 かく言う私も、とにかく「スケールの大きな感動」の方が好みなのです。なので一冊目で笑いを取り、二冊目に本命を持ってくる作戦にしていました。その時の状況で、組み合わせを変えても良いのではないでしょうか。

 というわけで、次回はその「本命」。
 子どもの読み聞かせ会のために目を通したのに、自分が惚れ込んでしまった……という絵本について書いてみたいと思います。

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