第二幕第四場(1)
文字数 666文字
ゆっくりと規則正しく響く、水道の蛇口から水滴の落ちる音。
リキ、はさみを手に持ち、ノートに突き刺す。
ハツ、駆けよる。
リキ、はさみを手に持ち、ノートに突き刺す。
ハツ、駆けよる。
ハツ、リキからはさみをとり上げようとする。
リキ、ハツの手をふりはらい、ノートにはさみを突き刺しつづける。
リキ、ハツの手をふりはらい、ノートにはさみを突き刺しつづける。
リキ、ナツに交代している。
間。
ハツ、なすすべもなく、見守る。
響きつづける水滴の音。
ハツ、もう一度、ナツに近づく。
ハツ、もう一度、ナツに近づく。
かあさんが、かぞえてるの。とうさんが、かえってくるまで。
ずっと、かぞえてるから、あたしが、かあさんのかわりに、かぞえてあげるの。
でも、あたし、ひゃくまでしか、しらないから。
響きつづける水滴の音。
ハツ、ナツの手からそっとはさみをとり上げ、いっしょに数え始める。
響きつづける水滴の音。
響きつづける水滴の音。