第一幕第八場(3)
文字数 755文字
あらら、そーんなにビックリしなくてもいいじゃない。急に別人になったと思った? 当たり。リキと俺、まったくの別人なのね。ま、俺ら二人でこの一つのカラダ共有してるんで、誤解されやすいっていうか? そんなとこ。(手をさし出す)ども。俺、タカです。
さっきさぁ、何か言いたそうだったじゃない、あれってもしかして、愛のコクハク、はぁと(手でハート形をつくる)ってやつだった? ふふん。どうしてやめちゃったの、いい感じの展開になりそうだったのに。感動してたのよ俺。リキのやつもオドオドしやがって、中学生かっつーのまったく。ね、あんたもしかして、まだ現役? その歳で? まだアガッちゃってないの、生理?
ごめんごめんごめん冗談だって。(ハツの手をつかむ)幾つになっても、恋はいいものよー。お肌にねー。イキイキツヤツヤ、プリプリのもとってね。(力ずくでハツの手を自分の顔へ持っていく)ほら、さわってみなよ。さわりたいんでしょ、俺に。ねえ。ハッちゃん。
間。
タカ、ハツの手を放し、リキの背後に引っ込む。
リキ、身ぶるいして覚醒し、頭を二、三度振り、押さえる。
リキ、身ぶるいして覚醒し、頭を二、三度振り、押さえる。
茫然と見守っているハツ。
リキ、ハツを見、はっとする。
リキ、ハツを見、はっとする。