第一幕第八場(6)
文字数 470文字
(営業スマイルで)お疲れ様でーす。今じゃ常連さんをうまく振り分けるだけでもう大変。だから普通は紹介もなしの新規の客が俺に回ってくるなんてあり得ないの。なのに同じ店に一人嫌な野郎がいてね、そいつが俺の客盗ったんだよ、店の電話に勝手に出て、おかしいですね、今日はタカ休みもらってますなんて汚いウソつきやがって、クソして死ねっての。だから正直あの日俺ものすごくクサクサしてた。(ある方向を向いて)ええもう誰でも来いですよ、店長。別に指名じゃなくたっていいですよ。行きますよ。しぼりとってきてやりますよ、一滴残らず。
ゲン、浮かび上がる。かたわらにスーツケース。